日本皮膚科学会雑誌
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絆創膏皮膚炎 ―特に通気性の本症防止に及ぼす影響について―
小堀 辰治長谷川 一雄
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1966 年 76 巻 6 号 p. 317-

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抄録

かつて,小堀,姉小路,宮崎らが,新型接着膏(adhesive tape)セキスイ絆について研究を行ない,その際,接着剤によるかぶれadhesive dermatitisは,汗孔閉塞を主なる原因としておこる皮膚炎と考えるべきであると結論した.このことはすでにPeck(1951)も強調しているところで,これらの実験結果から,接着膏につきまとう最も不愉快な副作用であるかぶれを防止するには,通気性のある接着膏を作成するべきだとする傾向が,高まつてきた.これについて成功したのは,世界的に有名な,3M接着膏micropore surgical tapeである.これは,支持体,膏剤に通気性という点に最も改良が加えられており,これによつてかぶれを著しく減少するに成功している.著者らもこの点に着目し,支持体,膏剤を独創的に通気性にすることに成功,これを仮に多孔性接着膏(porous tape)とよぶことにした.このものをもつて再び,adhesive tape dermatitisの本態について再検討を加えたのでその結果を報告し,御批判を乞いたい.

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© 1966 日本皮膚科学会
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