1928年,Pasiniは栄養障害型表皮水疱症の典型的症状の他に,水疱並びに炎症の徴候が先行することなく,すなわち原発性に,主として体幹に円形または卵円形の軽度皮表から隆起した白色丘疹様皮疹を有する症例を“dystrophia cutanee bulleuse atrophiante et albopapuloide”と命名報告した.今日,本型は栄養障害型表皮水疱症の1異型と解され,epidermolysis bullosa et albopapuloideaあるいはepidermolysis bullosa dystrophica et albopapuloideaなどの名称のもとに報告されているようである.本型は欧米にあつてはすでに50数例の報告をみ,決して稀有な疾患ではないように想われる.しかるに,本邦にあつては,佐藤の1例をみるにすぎず,本型についてはあまり関心がはらわれていないように思われる.