日本皮膚科学会雑誌
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真皮内エックリン汗管及び汗腺の腫瘍性分化 良性表皮腫性並びに癌性腫瘍*
森岡 貞雄三島 豊
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1968 年 78 巻 4 号 p. 357-

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抄録

Unnaが提唱したhidradenomaという名称は良性のsweat apparatusの腫瘍の総称であり,Unnaはこれをsweat ductに由来するsyringadenomaと,sweat glandに由来するspiradenomaに大別している.それ故にhidradenomaは病理学的なsweat apparatusのadenomaのみを意味するものではない.Hidradenomaに含まれるものの中,apocrine apparatusに由来すると考えられている腫瘍として,Naevus syringocystadenomatosus papilliferus, Hidradenoma papilliferum等があり,その病理組織学的性格はかなり明らかで,sweat apparatus tumorの典型として広く認められている.一方eccrine apparatusの腫瘍では,はつきりした典型として知られているものは少ない.本文ではエックリン汗管及び汗腺とoncogenicに関連性を有すると考えられる腫瘍のいくつかを報告し,その病理組織学的性格を整理検討し,併せて我々の得た分類私案を略述することにする.猶詳細は原著に譲る.

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© 1968 日本皮膚科学会
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