日本皮膚科学会雑誌
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78 巻, 4 号
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  • 1968 年 78 巻 4 号 p. 295-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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  • 上田 菊子
    1968 年 78 巻 4 号 p. 305-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    表皮の角化は基底層で増殖した細胞が分化し,角質を形成する過程であるが,その機序の解明には表皮内における蛋白合成乃至代謝を生化学的に究明する必要がある.然し実験方法の困難に阻まれて,この方面の研究は比較的最近に至るまで殆んど発展していない.処が,最近における電気泳動法の進歩と同位元素の応用とによりにわかに進展し,Spier et al.(1954),Matoltsy & Balsamo(1955),Matoltsy & Herbst(1955),小林(1955),Matoltsy & Matoltsy(1963),Scott(1965),Freedberg & Baden(1962),Rothberg(1964)等の業績がみられている.然し,かかる方法による知見もようやく端緒についた程度で,今後開拓さるべき分野が極めて大きい.そこで私は今回,モルモットで正常表皮,角層肥厚表皮,錯角化表皮における表皮蛋白をRothbergの方法を改変し,それらの分画蛋白を電気泳動法で分析し,以て正常角化並びに角化異常表皮における蛋白合成乃至代謝を窺つてみた.以下はその成績であるが,いささか新しい知見を加え得たと思つている.
  • 上田 菊子
    1968 年 78 巻 4 号 p. 316-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    第1編における正常角化並びに角化異常表皮についての動物実験に引続き,ここでは慢性湿疹,Wilson-Brocq紅皮症,乾癬,滴状類乾癬,先天性掌蹠角化腫の5疾患を取りあげ,それら鱗屑における分画蛋白量,分画蛋白の電気泳動像を,更に滴状類乾癬では分画蛋白への14C-glycineの取り込みを,第1編と全く同様の方法により検討した.人の鱗屑についての斯様な研究は,比較的最近に至るまで殆んど見出し難く,僅かにMatoltsy & Matoltsy(1963),Scott(1965)の剥脱性皮膚炎,乾癬における電気泳動像,Rothberg et al.(1961),Rothberg(1964)の乾癬における14C-glycineの取り込みについての報告が見出し得られるに過ぎない.従つて殆んど未知の分野と言つてもよいが,私は今回の実験によつて,第1編における動物実験の成績とも対比し,更に人における各種角化異常表皮の蛋白合成乃至代謝を窺知しようと試みた.以下はその成績である.
  • 坂東 嫩葉
    1968 年 78 巻 4 号 p. 325-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    尋常性痤瘡の発症原因については,今日まで多くの研究が行なわれているが,なお決定的な原因は解明されておらず,内分泌ないし体謝異常,間脳自律神経機能異常,細菌感染など種々の要素が組み合つて,その結果発症するという考えが今日一般に支持されている.したがつて,本症の治療に関しても画一的なものがなく,その支持する病因論にしたがつて,各人各様の方法が行なわれている.例えば1962年の国際皮膚科学会においても,表在X線療法,紫外線療法,ホルモン療法などについて,論議が行なわれた.尋常性痤瘡を一種の細菌感染症と考える学説は,古くから唱えられているが,その原因菌については必ずしも一定しておらず,表皮ブドウ球菌,アクネ桿菌,黄色ブドウ球菌,大腸菌様最近,類ジフテリア菌があげられている.著者は,尋常性痤瘡の原因を細菌学的に検討し,本症発症に対する細菌の役割について,下記の実験を行なつた.その結果,1891年Unnaによつて発見されたCorynebacterium acnesが,本症発生に重要な役割を演じていることを,明らかにすることができたので,その所見を述べる.
  • 田邊 義次
    1968 年 78 巻 4 号 p. 338-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    コルチコステロイドの“systemic activity”と“local activity”には,かなり異なつた作用があることは,一般に認められており,また極めて興味深い問題である.同時に,それぞれの実験結果の吟味にあたつては,それがinitial actionすなわちprimary actionであるか,あるいはsecondary actionであるかということは,重要な意義を持つている.少なくともsystemic activityの場合は,体内に入り組んで存在するホルモン調節機構への働きをはじめとして,核酸合成の促進を介してenzyme inductionの増加,さらに,その酵素に基くsecondary actionの発動がある.また,生体の複雑な代謝調節機構と相関し,あるいはそれと無関係にprimary actionとして,酵素反応の抑制または促進作用を発揮する.一方,local activityはNADH酸化の抑制,ATPase活性化などを介して,特に局所抗炎症作用という面から追求されている.したがつて,実験方法もgranuloma内への注射によるものが大部分を占めているが,皮膚科学的に見ると外用コルチコステロイドは,まさしくこれに通ずるものである.臨床的応用は,1952 SuIzbergerらによるcompound Fの使用にはじまり,その後,多くの合成副腎皮質ホルモンが臨床的に用いられ,現在,皮膚疾患治療の大きな武器となつている.しかしながら,その作用機作に関する報告きわめて少く,未解決な部分があまりにも多い.このことの要因は,まず“ステロイドの作用する組織学的な標的部位はどこか?”という問題であろう.細胞内へ侵入したコルチコステロイドが直接に細胞内要素に作用するものであるか,あるいはまず細胞膜に作用し,2次的に細胞内に変化を来たすのか.さらに焦点を絞れば,ステロイド本来の作用を生化学的に検討するためには,いかなるレベルの皮膚試料が望ましいか,などを検討しなければならない.同時にこの問題に関連して,in vivoとin vitroとの差を,どの程度まで縮少することが可能であろうかを,考えなければならない.第2に,肝・腎などの実質性臓器と異なり,線維性成分の豊富な皮膚から,どのようにして試料を作製したら良いかなど,いくつかの未解決な問題がある.特に,安定性や再現性を要求する酵素活性の検討には重要な事項である.以上のことから,複雑な背景を考慮せねばならないin vivoよりは,subcellular levelで単純化された系を利用するin vitroの検索は,重要なアプローチの一手段と見做すことができる.著者は,ステロイドとの関連性が強い複合酵素系である糖代謝経路のうちから,細胞内可溶性蛋白分画に存在するglucose-6-phosphate代謝酵素群(図1)を選び,皮膚の粗無細胞性上清(crude subcellular or cell-free supernatant)につき,その活性およ
  • 三浦 祐晶
    1968 年 78 巻 4 号 p. 347-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    PinkusおよびMehregan(1963)は,腹部から下肢にかけて,広汎な皮膚腫瘍を発来した1例の組織学的検索によつて,Paget病様の特異な表皮内腫瘍巣形成を認め,恐らく足部に原発した汗腺由来の悪性腫瘍の表皮内転移であろうとして,epidermotropic eccrine carcinomaとして報告した.そして,原発巣の詳細な検討はできなかつたが,転移巣の組織像がeccrine poromaに似ていることから,原発腫瘍が悪性のeccrine poromaである可能性を推定している.われわれも最近Pinkusらの例と全く相似の症例を経験し,かつ剖検する機会を得たので報告する.なおこの症例については,教室の中川らが乳房外Paget病の1異型として,第65回日本皮膚科学会総会で報告し,また第176回日本皮膚科学会北海道地方会で,epidermotropic eccrine carcinomaとして赤野らが報告したのち,同じ題名で臨床皮膚科に記載したほか,三浦がミュンヘンにおける第13回国際皮膚科会議で発表したことをお断わりしておく.
  • 三島 豊, 森岡 貞雄
    1968 年 78 巻 4 号 p. 350-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    表皮内エックリン汗管,すなわちacrosyringiumの腫瘍として,eccrine poromaがPinkusにより初めて記載されたのは御承知のように約10年前である.このeccrine poromaという言葉そのものは,eccrine poreの全ての腫瘍を含めているように聞えるが,実際にはporeのacanthomaを指しているので,今後はeccrine poroacanthomaと呼ぶ方が妥当と考える.このeccrine poroacanthomaの発見された後,このpore乃至acrosyringiumのepithelioma更にはcarcinoma型腫瘍も存在するのではないかと考えていた所,丁度その頃幸いにも日大より森岡教授が留学に来られ,私共の250例のeccrine apparatus腫瘍を共に見直すうちにここに報告する如き2,3の特異なeccrine汗管腫瘍を見い出した.その後,又その中の特にeccrine poroepitheliomaともいうべき腫瘍については,私の処で電顕的にも検索する機会を得,興味ある特有の所見を得たので,併せて報告したい.なお詳細は原著に発表したのでここには要旨のみを簡述した.
  • 森岡 貞雄, 三島 豊
    1968 年 78 巻 4 号 p. 357-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    Unnaが提唱したhidradenomaという名称は良性のsweat apparatusの腫瘍の総称であり,Unnaはこれをsweat ductに由来するsyringadenomaと,sweat glandに由来するspiradenomaに大別している.それ故にhidradenomaは病理学的なsweat apparatusのadenomaのみを意味するものではない.Hidradenomaに含まれるものの中,apocrine apparatusに由来すると考えられている腫瘍として,Naevus syringocystadenomatosus papilliferus, Hidradenoma papilliferum等があり,その病理組織学的性格はかなり明らかで,sweat apparatus tumorの典型として広く認められている.一方eccrine apparatusの腫瘍では,はつきりした典型として知られているものは少ない.本文ではエックリン汗管及び汗腺とoncogenicに関連性を有すると考えられる腫瘍のいくつかを報告し,その病理組織学的性格を整理検討し,併せて我々の得た分類私案を略述することにする.猶詳細は原著に譲る.
  • 川村 太郎, 池田 重雄, 森 俊二, 水谷 ひろみ, 船橋 俊行
    1968 年 78 巻 4 号 p. 363-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    表皮向性癌(epidermotropic carcinoma)とは,皮膚へ転移した癌細胞が表皮細胞と共棲してPinkus及びGouldの所謂Paget現象(Paget's phenomenon)(1939)を呈したものである.即ちepidermotropic carcinomaとは皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍が表皮内に浸潤,増殖を示したものを一括総称した名称である.これには乳房及び乳房外Paget病が含まれるが,これら両疾患は臨床的にも,組織学的にも夫々独立した一疾患単位(clinicohistopathological entity)であるため,普通は表皮向性癌なる名称で呼ばれていない.従来表皮向性癌として報告されているものに乳癌,膀胱癌,悪性黒色腫,エックリン汗腺癌,アポクリン汗腺癌,マイボーム腺癌等の皮膚転移巣があげれられるが,未だ其の数は多くない.ここに於いて,我々には最近経験したPaget病以外の表皮向性癌と見做し得る3例について報告する.
  • Hermann Pinkus, M.D.
    1968 年 78 巻 4 号 p. 373-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    表皮向性(epidermotropism)とは,表皮外起源の腫瘍細胞が表皮内に移動し,そこで寄生群体をつくることを意味する.これらの細胞は,この起源及び生物学的特性共に表皮とは別のものであり,又表皮を破壊することなく表皮内に生存していなければならない.この概念は,汗器官腫瘍に適応出来る.なぜなら皮膚の附属器は,胎児期に既に表皮から3分化し,その上皮細胞は表皮細胞とは異質のものであるからである.皮膚附属器の細胞は表皮と適合し,又それら皮膚附属器官の表皮内貫通部分(acrosyringium and acrotrichium)は表皮と共棲関係にある.一般的に腫瘍細胞の活性は,それら細胞本来のpotentialityよりも,彼らの正常のprototypeにより制限され,同型の腫瘍細胞しかつくれない.
  • 川村 太郎
    1968 年 78 巻 4 号 p. 375-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    第13回国際皮膚科学会議は,ジュネーブ大学皮膚科教室主任W. Jadassohn教授を会頭に,ミュンヘン大学皮膚科教室(主任O. Braun-Falco教授)のOberarzt C. G. Schirren教授を事務総長として,ミュンヘン市Messegelande(Exhibition Grounds)に於いて開催された.本学会会頭は本来Munchen大学皮膚科学教室主任A. Marchionini教授と決まつて居たが,同教授が其の後逝去されたため,Jadassohn教授が之に代つた.此処に謹んで,国際交換講座講師として,本邦に来られたこともあるMarchionini教授に哀悼の意を表したい.猶Jadassohn教授(第1図)は,御承知の方も多いかと思うが,Jadassohn広本で有名な故Jadassohn教授の令息で,現在では欧州皮膚科学界の長老の1人である.会期は昭和42年7月31日(月曜日)から8月5日(土曜日)までの6日間であつたが,開会前日の7月30日には登録,ならびに参会者並に夫人に対する招待会が行なわれた.
  • 北村 包彦
    1968 年 78 巻 4 号 p. 386-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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    この連盟の英語名はUnion against the Venereal Diseases and the Treponematoses.連盟の本部をParisに置き,ヨーロッパ地域のRegional OfficeをCopenhagenに,アメリカ地域のそれをNew Yorkに設けている.連盟の会長は英国のA. King,名誉会長はフランスのDr. A. Cavaillon,事務総長にイタリーのProf. G. A. Canaperia,副会長はアメリカのDr. B. Websterら5名.今回総会の組織委員長はFreiburgのProf. K. W. Kalkoff,事務総長は同じくProf. H. J. Heite.
  • 1968 年 78 巻 4 号 p. 387-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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  • 1968 年 78 巻 4 号 p. 395-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
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