抄録
表皮は表皮細胞(以下K細胞と略)と表皮メラノサイト(以下M細胞と略),ランゲルハンス細胞(以下L細胞と略)からなり,M細胞はメラニン顆粒(以下M顆粒と略)を形成,これをK細胞に受け渡し,その多寡により人皮膚に一定の色調を与える.またM顆粒は酸化還元能を有し,K細胞に種々作用を及ぼすことも想定されているが(清寺),M顆粒の真の意義は皮膚を有害光線から保護することであろう.一方L細胞はその胞体内に特異なBirbeck顆粒(以下B顆粒と略)を有する樹枝状細胞であるが,その起源乃至機能は現段階のところなお充分明らかでない.著者は数年来,各種色素異常症の表皮樹枝状細胞について電顕的観察を行ない,2~3の知見を得,その都度報告して来たが,最近偶々貨幣状湿疹の電顕的観察中興味ある所見を得たので,これまでに得た知見を参考にしつつ以下M細胞とL細胞の相関関係について私見を述べてみたい.