日本皮膚科学会雑誌
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外用抗白癬物質の作用に関する2,3の考察
高橋 久
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1972 年 82 巻 7 号 p. 421-

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抄録
白癬菌の寄生部位が角層という浅い部位に限られ,且つ外用剤であるために高濃度の薬剤を適用しうるという好条件下にあるにもかかわらず,外用抗白癬剤の効力の向上は単にその抗菌価を高めるのみでは達せられない.ここに外用剤使用に当って効力発現に関与すると思われる各種の要因について検討した.まず,角質に対する薬剤の吸着の問題では,角質として毛髪砕片を使用したが,ベンゼトニウム・クロライドが絹綿に強固な吸着を示した以外は今回検討した薬剤は毛髪に対して,木綿,絹綿よりも強固な吸着をみせた.薬剤を吸着した毛髪が,それに接種した白癬菌を抑制する作用は減弱乃至消失していた.ワールプルグ検圧計を用いて薬剤による呼吸阻害を検討した結果では,グリセオフルピンは呼吸阻害作用がなく,メナジオンは却って菌の酵素消費を増強することを確認した.爪甲片に接種した白癬菌に対する薬剤の滲透作用では,一般にエタノール溶液にすぐれた結果をみとめた.また薬剤蒸気の爪片内への滲透殺菌作用ではアンモニア,フォルマリン蒸気に見るべき効果をみとめた.
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© 1972 日本皮膚科学会
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