抄録
実験的接触皮膚炎における担体特異性に関して,モルモットをin vitroで作製したhapten-protein conjugateによる感作および移植皮膚片(自家,同種,異種)へのDNCB感作を行なった.用いたhaptenは表皮蛋白ときわめて結合しやすいことから,惹起反応の表皮向性を重要視し,とくに表皮の変化に注目して検討した.これらの結果から接触過敏の担体として自己の表皮蛋白が重要な役割を果していることを認めた.また,高濃度の30%DNCBでモルモットを感作すると,低濃度DNCB感作に比して惹起反応形態として表皮肥厚が前景にでることを認め,マウスのDNCB感作実験では表皮細胞の分裂数が増加することを認めた.