1973 年 83 巻 8 号 p. 377-
表在性真菌が表皮角質層や毛髪,爪等に侵入していく機序の一つとしてKeratinを分解する酵素―Keratinase―の寄与が推測される.本酵素に関しての生化学的免疫学的な研究は数多いが,biologicalな面を追求したものは極めて少ないようである.そこで今回我々はNoval & Nickersonの方法に従い,人毛髪を加えた以外は極度に栄養源を制限した培養液を作成し,そこにMicrosporum gypseum(以下M. gyp.と略)を接種し,Keratinase産生動態を対照培地との比較のもとに経日的に測定し,検討を試みたので報告する.