1975 年 85 巻 2 号 p. 63-
1. Infantile digital fibroraatosis の1例を経験したので,光学顕微鏡的ならびに電子顕微鏡学的に観察し,同時に文献的考察を行なった. 2.本症は,現在までに自験例を含め49例の報告がある.臨床的特徴は,殆んどが生後1年以内の子供の指趾に発生し,再発の傾向が多いことである. 3.組織学的特徴は,線維芽細胞の細胞質内に好酸性穎粒(封入体)が存在することである. 4.本封人体は,径約 50Å の細線維ないし微細穎粒から成り,組織化学的検査及び蛋白質消化試験より,かなり純粋な蛋白質であると考えられる.