日本皮膚科学会雑誌
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血管病変を伴った汎発型限局性鞏皮症(Generalized Morphea) -全身性鞏皮症との関連-
倉知 則子大橋 勝丸田 宏幸津田 真吾
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1976 年 86 巻 8 号 p. 465-

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抄録

34歳女性,42歳男性の汎発性限局性鞏皮症 (GeneralizedMorphea : 以下 GM と略す) の2例を報告した.本症例は臨床経過が長川かつ地行性である点,ならびに組織学的に血管の閉塞性変化を布する点で現在までに報告されている多くの GM 例とは異なる.仝身性鞏皮症 (Progressive Systemic Sclerosis: 以下 PSS と略す)が全身性の結合組織病であるのに対し,GM を含め限局性鞏皮症 (Localized Sckrodcrma ; 以下 LSD と略す)は病因の異なる限励性の皮膚硬化症で,自然治癒がみられるとの考え方が大半を占めている.しかし木症例ならびに, PSS および他結合組織病と Morpliea の合併例, LSD より PSS への侈行例などの文献報告を考えあわせると, LSD と PSSは卵加こ区別される異なった疾患とは言い得ない点が存在すると考える.

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© 1976 日本皮膚科学会
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