日本皮膚科学会雑誌
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基底細胞上皮腫の臨床病理学ならびに電顕的研究 第3報:腫瘍実質・間質間裂隙の超微細構造について
小野 友道
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1979 年 89 巻 4 号 p. 273-

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抄録
基底細胞上皮腫 (basal cell epithelioma, 以下 BCE と略)21例の腫瘍実質周囲にみられる裂隙について電顕的に観察し,次の成績を得た. 1 . “retraction space” と呼ばれる腫瘍実質と閣質との間に存在する裂隙は電顕的に次の3型に区別することができる.すなわち第1型;裂隙が基底板より間質側に存在するもので微細な線維状および粒子状物質が網状に認められ,粘液変性で生じた酸性ムコ多糖が沈着して生じたもの,第2型;裂隙が palisade cell と基底板との間に存在し, palisade cell の空胞化,肥厚・粗造化した基底板などの変化が準備状態となり,組織の固定・脱水などの操作により出現しやすくなったもの,第3型;第1および第2型がともに認められ,両者が複合したものの3型である. 2. BCEの基底板は肥厚し,顆粒状ないし線維状となり,また多層化を呈するなどの変化がしばしば認められた. 3. palisade cell の細胞膜が不連続となり,その部で細胞質と基底板との連絡が認められた.この所見は基底板の構成要素が palisade cell 由来であることを示唆すると考えた. 4.腫瘍実質周囲の間質の変性が強い部位にきわめて多数の形質細胞の浸潤がしばしば認められた.
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© 1979 日本皮膚科学会
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