日本皮膚科学会雑誌
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89 巻, 4 号
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  • 小野 友道
    1979 年 89 巻 4 号 p. 251-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    基底細胞上皮腫 (basal cell epithelioma, 以下 BCE と略) 156例について臨床病理学的,統計学的検討を行い次の成績を得た. 1.男性91例,女性65例で,男性に多く認められた (p<0.05). 2. 本邦における年齢別人口と BCE 発生頻度は正の相関がみられ,35歳以上では高齢になるにつれて発生数が増加した. 3. BCE の発生部位は胎生期顔面形成の解剖学的要因とやはり密接に関与していると思われる分布を示し,本腫瘍の病理発生の要因を強く示唆した. 4. BCE における色素沈着は約 85% に認められた. 5. BCE の大きさは,その推定発症時から初診時までの期間と緊密な相関を示し,本腫瘍の発育の性格を示唆した. 6.腫瘍の大きさは,臨床的な実測値から求めた次の回帰式で推定することができた. 腫瘍の大きさ(長径×短径)(mm2) =1.7363 (推定発症時より初診時までに要した年数)2 + 133.1192 7.この回帰式から算定してみると,腫瘍の直径の1年間の伸びは,10年以内では1.0mm以下,10年を超えると1,0~1.3mm 程度となり,また腫瘍面積が2倍に拡大するに要する期間は平均8.8年であった. 8. BCE はその発生部位,発生母地および誘因などから過誤腫的要素を多分に含む腫瘍と考えられた.
  • 小野 友道
    1979 年 89 巻 4 号 p. 263-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    基底細胞上皮腫 (basal cell cpithelioraa,以下 BCE と略) 21例について電顕的検索を加え,暗調細胞(広義のdark cell)に関する次の成績を得たので報告する. 1. BCE の実質細胞中に電子密度の高い暗調細胞か認められた. 2.暗調細胞には未熟・未分化な細胞と思われる型の他に種々な所見を呈する変性した腫瘍細胞が存在した, 3.変性した腫瘍細胞所見としての暗調細胞の存在は BCE の緩徐な発育を示す事実と密接に関連する cellloss factors の1つであると考えられた.
  • 小野 友道
    1979 年 89 巻 4 号 p. 273-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    基底細胞上皮腫 (basal cell epithelioma, 以下 BCE と略)21例の腫瘍実質周囲にみられる裂隙について電顕的に観察し,次の成績を得た. 1 . “retraction space” と呼ばれる腫瘍実質と閣質との間に存在する裂隙は電顕的に次の3型に区別することができる.すなわち第1型;裂隙が基底板より間質側に存在するもので微細な線維状および粒子状物質が網状に認められ,粘液変性で生じた酸性ムコ多糖が沈着して生じたもの,第2型;裂隙が palisade cell と基底板との間に存在し, palisade cell の空胞化,肥厚・粗造化した基底板などの変化が準備状態となり,組織の固定・脱水などの操作により出現しやすくなったもの,第3型;第1および第2型がともに認められ,両者が複合したものの3型である. 2. BCEの基底板は肥厚し,顆粒状ないし線維状となり,また多層化を呈するなどの変化がしばしば認められた. 3. palisade cell の細胞膜が不連続となり,その部で細胞質と基底板との連絡が認められた.この所見は基底板の構成要素が palisade cell 由来であることを示唆すると考えた. 4.腫瘍実質周囲の間質の変性が強い部位にきわめて多数の形質細胞の浸潤がしばしば認められた.
  • 加藤 光子, 神保 孝一, 上杉 孝, 千葉 雅史
    1979 年 89 巻 4 号 p. 287-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    顔面の浮腫性皮下硬結を主訴とした cutaneous lyraphoidhyperplasia の1例を報告し,併せて,自験例を中心として,本症の a)臨床像,b)病理組織像,及び悪性リンパ腫との鑑別,c)電顕像,d)病因,e)治療法につき考察する. 自験例は,光顕上,皮下脂肪織,筋層間に,欄密な細胞浸潤が存在し,一部他の炎症細胞が混入し筋炎の像,及びリンパ濾胞様構築を呈する.電顕上,これら浸潤細胞は,種々の成熟段階を示すリンパ球又はリンパ芽球細胞からなり, cutaneous lymphoi'd hyperplasia と診断した.特異な事は,これら浸潤細胞が,悪性リンパ腫の細胞と異り,著明な樹枝突起を有し,細胞質内小器管の発達が良く,しかも,“dense cored granule”を有する事である.これら所見とは cutaneous lymphoid hyperplasia における浸潤異型リンパ球か悪性リンパ腫のそれとは全く異る細胞生物学的特性を有し,これらは,反応性リンパ球増殖に基く事を示唆した. 本邦,外国での報告例には,かかる特異な臨床像,組織像を呈する症例は極めてまれである.
  • 1979 年 89 巻 4 号 p. 297-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
  • J. Petres, M. Hundelker
    1979 年 89 巻 4 号 p. 320-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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