日本皮膚科学会雑誌
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筋層への細胞浸潤を伴った板状皮下硬結を主訴とするCutaneous lymphoid hyperplasiaの1例 -浸潤細胞の組織学的,電顕的考察-
加藤 光子神保 孝一上杉 孝千葉 雅史
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1979 年 89 巻 4 号 p. 287-

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抄録
顔面の浮腫性皮下硬結を主訴とした cutaneous lyraphoidhyperplasia の1例を報告し,併せて,自験例を中心として,本症の a)臨床像,b)病理組織像,及び悪性リンパ腫との鑑別,c)電顕像,d)病因,e)治療法につき考察する. 自験例は,光顕上,皮下脂肪織,筋層間に,欄密な細胞浸潤が存在し,一部他の炎症細胞が混入し筋炎の像,及びリンパ濾胞様構築を呈する.電顕上,これら浸潤細胞は,種々の成熟段階を示すリンパ球又はリンパ芽球細胞からなり, cutaneous lymphoi'd hyperplasia と診断した.特異な事は,これら浸潤細胞が,悪性リンパ腫の細胞と異り,著明な樹枝突起を有し,細胞質内小器管の発達が良く,しかも,“dense cored granule”を有する事である.これら所見とは cutaneous lymphoid hyperplasia における浸潤異型リンパ球か悪性リンパ腫のそれとは全く異る細胞生物学的特性を有し,これらは,反応性リンパ球増殖に基く事を示唆した. 本邦,外国での報告例には,かかる特異な臨床像,組織像を呈する症例は極めてまれである.
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© 1979 日本皮膚科学会
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