日本皮膚科学会雑誌
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水疱性類天疱瘡の組織学的検討
渡辺 淳子橋本 公二西岡 清
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1979 年 89 巻 7 号 p. 461-

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抄録

免疫学的に診断の確定した水疱性類天疱瘡(BP)の組織所見を検討した.初期変化部より採取した13標本は,浸潤細胞の種類,多寡により5つにパターン化でき,さらに水疱形成に関与する免疫抗原抗体反応が基底膜部分に表現されることより,この5つのパターンを表皮真皮接合部,真皮乳頭部の浸潤細胞を中心に. I, II. Ⅲ 型に再分類できた. I, II ,Ⅲ 型は各々,多形核白血球,好酸球,リンパ球浸潤を主体とする形態を示し,その分布は,13標本中,I 型 1, II 型 6,Ⅲ 型6標本であった.同一症例の時期を違えた標本にて I 型と II 型を示す所見を認め,3者の間には時間的経過による変遷が考えられた.又,過去の症例との比較により, I, II 型では蛍光抗体法による確定診断が重要であるが,Ⅲ 型は BP の組織診断上1つの手がかりになると考えられた.

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© 1979 日本皮膚科学会
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