抄録
50歳,女性にみられた胸腺腫を伴う免疫不全症(Good症候群)に発生した慢性肉芽腫性皮膚粘膜カンジダ症の症例について,免疫学的観点からその発生母地を考察した. 免疫学的には無カンマグロブリン血症,特異抗原に対する遅延型反応の低下と,良性の spindle cell thymoma を合併していた.末梢血リンパ球のsubpopulation では,B-cell は特に低く, T-cell はやや低いが,特異抗原に対する反応はなく B-cell の抗体産生に対する suppressor 能は強く, helper 能は弱かった.しかし,胸腺抗体の存在を除いて,自己抗体の産生はみられなかった. 治療は,抗カンジダ剤単独療法では舌背の肉芽腫性カンジダ症には効果なく,ガンマグロブリソの補給と transfer factor の併用によって症状の軽快傾向をみたが,治癒させることはできなかった.