日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
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Hailey-Hailey病における培養表皮細胞の移動能について
石橋 康正大塚 藤男久木田 淳
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1980 年 90 巻 3 号 p. 231-

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抄録
Hailey-Hailey病における培養表皮細胞の解離性と移動能をより明確に理解するために,培養72~96時間後に組織原片から遊出する表皮細胞を,20~30分おきに連続撮影した.その結果,これら遊出表皮細胞は,最大0.54μ/min,最小0.09μ/min,平均0.21~0.25μ/minという移動速度を示すことか明らかとなった.一方それら遊出細胞の動態を見ると,一部の細胞は細胞間橋を思わせる棘状の突起を形成して,他の細胞群と完全に接着する等,正常に近い組織化能を示したが,細胞の中には,一旦接着した後,次々とその位置を移動,最後に完全に解離したり,或いは接着,解離を何度も繰り返す等,組織化能の不全乃至欠如を思わせる行動を示すものがあることが判明した.これらの所見から Hailey-Hailey 病培養表皮細胞には,恐らく遺伝的に規定された,自己と同種の細胞を認識する模機能に欠陥があり,これが組織レベルで認められる “acantholysis” の本態であろうと推論した.
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© 1980 日本皮膚科学会
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