日本皮膚科学会雑誌
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90 巻, 3 号
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  • 石橋 康正, 大塚 藤男, 久木田 淳
    1980 年 90 巻 3 号 p. 231-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    Hailey-Hailey病における培養表皮細胞の解離性と移動能をより明確に理解するために,培養72~96時間後に組織原片から遊出する表皮細胞を,20~30分おきに連続撮影した.その結果,これら遊出表皮細胞は,最大0.54μ/min,最小0.09μ/min,平均0.21~0.25μ/minという移動速度を示すことか明らかとなった.一方それら遊出細胞の動態を見ると,一部の細胞は細胞間橋を思わせる棘状の突起を形成して,他の細胞群と完全に接着する等,正常に近い組織化能を示したが,細胞の中には,一旦接着した後,次々とその位置を移動,最後に完全に解離したり,或いは接着,解離を何度も繰り返す等,組織化能の不全乃至欠如を思わせる行動を示すものがあることが判明した.これらの所見から Hailey-Hailey 病培養表皮細胞には,恐らく遺伝的に規定された,自己と同種の細胞を認識する模機能に欠陥があり,これが組織レベルで認められる “acantholysis” の本態であろうと推論した.
  • 藤田 英輔, 山口 康則, 麻上 千鳥, 荒木 勲生, 木下 敬介, 浪花 志郎, 西岡 和恵, 西山 和光, 安野 秀敏, 越智 敬三, ...
    1980 年 90 巻 3 号 p. 239-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
  • 浅井 芳江, 鈴木 伸典, 細井 洋子, 濱田 稔夫
    1980 年 90 巻 3 号 p. 249-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    固定薬疹患者14名について内服誘発試験を行った後,経時的に微量全血培養法を用いてリンパ球幼若化試験(LTT)を施行した結果,原因薬剤内服後3~4時間後では著明なリンパ球幼若化現象が観察されたが,固定薬疹の再現する8~24時間後では LTT が全例陰性化した.しかしこの時期において, PHA に対する反応性には変化が見られず,また患者血清中に PHA 刺激応答抑制因子も存在しなかった.さらに誘発1週間後では約半数例において LTT の陽性化が認められた.以上より薬剤アレルギーの in vitro の診断にLTT を用いる際には,皮疹発生期を避け,皮疹の消褪後に LTT を施行するのが好ましいと結論された.
  • 吉江 治彦
    1980 年 90 巻 3 号 p. 255-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    副腎皮質ステロイド剤治療がなされた皮膚筋炎14例 (軽快9例,死亡5例)について,経時的に同一骨格筋の組織検査を施行し,光顕的,電顕的所見を血清酵素値や骨格筋症状の推移と対比しながら検討し,次のような結果を得た. 1.治療開始前の生検における筋線維の変性程度は,血清酵素値や骨格筋症状の重症度とおおむね相関していた.軽快例では,治療により臨床症状の改善が得られた時期にも,筋線維の変性は存続することが多かった,死亡例では治療効果が得られず,末期において筋線維の変性程度は増悪傾向を示した. 2.筋線維の再生現象は,筋病変が回復しているか否かによって異なっていた.軽快例の治療前,死亡例の治療前や末期のようにたとえ回復しない時期でも,筋線維の変性が高度な場合は,再生筋線維と筋芽細胞が出現していた.他方,軽快例の治療開始後のように臨床的改善が進行している時期には,筋線維の変性程度とは無関係に,筋衛星細胞の増加と再生筋線維の出現がみられた. 3,筋線維の核とその周辺筋形質の形態的変化,さらに糸粒体やグリコーゲンの増加も骨格筋修復の表現と考えられる.
  • 1980 年 90 巻 3 号 p. 277-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
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