母斑細胞母斑の臨床的ならびに組織学的観察,とくにその natural history についての研究の一環として,著者は母斑細胞母斑の組織中にみられる脂肪細胞様変性について,各種染色を施行し,光顕的に母斑細胞から脂肪細胞様変性への移行過程を示す所見が認められること,電子顕微鏡的観察で,脂肪細胞の周囲の母斑細胞の細胞質内に大小の脂肪滴が認められることから,母斑組織中にみられる脂肪細胞様変性は,母斑組織中に存在する類脂質とくに Cerebroside に近いものが母斑細胞巣の変性とともに,中性脂肪へ変化したものと推定した.