抄録
メレダ型掌題角化症(以下MPPKと略す)の1例および正常人2例の足底部皮膚を体外培養し,遊出Lてくる表皮細胞を走査型(SEM)及び透過型(TEM)の電子顕微鏡を用いて観察し,両者を比較検討した.正常人の場合 TEM 像では in vivo よりもミトコンドリア,ゴルジ装置などの小器官が著しく発達する反面,トノフィラメントの形成は弱く,又 SEM 像では短かい微絨毛が細胞表面全体に密集して認められた.これに対し MPPK では小器官の発達は弱く,貧弱であるが,トノフィラメントが細胞内に多量に存在した. SEM 像では太く長い微絨毛が細胞表面に疎に分布して観察された.生検試料においても,又 outgrowth culture においてもMPPK はトノフィラメソト形成の傾向か強く細胞が相対的に線維成分に富むケラチノサイトの像を示した. in vivo および outgrowth culture の結果より, MPPK のケラチノサイトはトノフィラノントの過剰産生と角化の分化促進を特徴とし,正常のケラチノサイトとは異った要素を持つ表皮細胞と考えた.又正常人の細胞培養で,オドランド小体が認められたが outgrowth culture でオドランド小体が確認されたのは著者が知る限り今回がはじめての報告例と思われる.