抄録
石灰化上皮腫の腫瘍細胞を好塩基性細胞,移行細胞 I 型(好塩基性細胞に隣接した3つ目までの細胞),移行細胞皿型(陰影細胞に隣接した3つ目までの細胞)の3グループに分けて,形態計測的に検討した.次いで計測値を各グループ間で統計学的に検定した.形態計測的には好塩基性細胞が移行細胞I型,移行細胞 II 型と分化するにしたがい,核は小型となり,一方,核の単位面積当りに占めるヘテロクロマチンの面積は逆に増加した,そして細胞質の単位面積当りに占める張原線維の面積は増加し,幅の太い張原線維が多くなった.F 検定の結果,各グループ間において有意の差がみとめられた.本研究で明らかにされた腫瘍細胞の形態計測的有意差は細胞の分化に伴うタンパク合成などの変化を反映しているものと思われる.