日本皮膚科学会雑誌
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ヒトエックリン汗腺の走査電子顕微鏡的観察
井上 多栄子
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1981 年 91 巻 5 号 p. 535-

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抄録

1.粘液細胞の腺腔側表面を観察すると,膜面に 400Å 直径の小孔および 0.14μm 直径の開口部が存在する.この開口部に微細穎粒状分泌物,および球形分泌物が存在する.これは開口分泌 (exocytosis) を行っているのであろうと思われる.また微絨毛の先端が膨大したミクロアポクリン型,細胞膜面に細胞質突起を作るアポクリン型,および微絨毛の合一によって生じる集合型アポクリン突起を認めた. 2.細胞間分泌細管の腺腔への開口は各腺細胞の境界部が合一した部位に存在する. 3.細胞間分泌細管の膜面に250~700Å直径の小孔がある.これは透過電顕でまだとらえられていない小孔であり,水分・溶質の移動に関しているのではないかと思われる.

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© 1981 日本皮膚科学会
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