日本皮膚科学会雑誌
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偏側性ダリエー病の1例 -本症の概観ならびに表皮内汗管の態度について-
高橋 夫紀子鈴木 啓之
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1981 年 91 巻 8 号 p. 823-

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抄録
偏側性ダリエー病の1例を経験し記載し,本症の概観を述べた.次いで光顕ならびに電顕的所見に基づき,表皮内汗管の特異性につき考察した.即ち病巣部の棘融解の結果生じた裂隙内にみられる表皮内汗管は正常の形態を保つ.電顕的検索でも汗管細胞相互間はよく発達した細胞質突起が複雑に嵌合し,デスモソームは全く正常の形態を保ち,数の減少もみとめられなかった.これらの所見から,表皮内汗管が表皮細胞から独立したユニットであるという主張に賛同したい.
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© 1981 日本皮膚科学会
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