FCA 加セファロチン(CET)感作モルモットに, CET を腹腔内大量投与することにより作製した実験的薬疹 (CET疹)について検討し,以下の結果を得た. ① CET 皮内反応は,肉眼的に24時間をピークとする遅延型の反応で,皮内反応部は,硬結を伴わない軽い浸潤性の紅斑を示した. ② CET 皮内反応部の組織所見は,遅延型の経過をたどり,表皮細胞間浮腫,表皮および真皮への単核細胞,多形核細胞の浸潤,毛細血管の拡張充血を主とする反応であった.ギムザ染色標本では,肉眼的紅斑の消槌する48時間以降に,好塩基球浸潤が多数認められた. ③ CET 疹は,肉眼的に,24時間をピークとする遅延型の反応で, flare-up 部の組織所見は,表皮細胞間浮腫,3時間後より観察され72時間前後まで持続する毛細血管拡張と,6時間後に最も著明な単核細胞浸潤が主な所見であった.ギムザ染色標本では,48時間から72時間後にかけて,多数の好塩基球浸潤が認められた. ④ CET 疹誘発時の末梢血液白血球像は,経時的には,早期に好中球と好酸球が増加し,リンパ球と塩基球は,やや遅れて,48~72時間後に最も増加していた 以上の成績から CET 皮内反応は cutaneousbasophilhypersensitivity(CBH) の特徴を,実験的 CET 疹は,systemic CBH の特徴を持つことが示された
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