抄録
成人T細胞白血病(ATL)と診断り日療中に,全身に紅斑・丘疹及び結節が経時的に出現した症例で,これら各病巣について光顕的・電顕的に検討したので,観察結果を報告した. 1.紅斑部では血管周囲に異型単核細胞浸潤が認められ,丘疹・結節になるに従いその程度が著しくなり,塊状からび慢性の浸潤性増殖を示した.しかし,いずれの病巣でも表皮侵襲は認められなかった. 2.病巣部主要構成細胞は,紅斑・丘疹及び結節部分共に異型単核細胞が主体を占めるが,病変の程度が強くなる程大型単核細胞が多く出現L,結節性病巣では2核ないし多核の巨細胞が比較的多数認められた. 3. 病巣部異型細胞のうち小型単核細胞は,末梢血中異型細胞と類似していた. 4.病巣内にみられる多様な単核細胞から多核巨細胞には,微細構造上移行ないし類似性を示唆する所見が得られ,これらは同系統の細胞と考えられた.