抄録
Chilblain Lupus の2例について,その血清学的変化を経時的に検索した.血清中の IgG , IgM , IgA 量は,冬季においても,いずれもほぼ正常域内にあったが,lgM 量は2例ともに冬季に増加する傾向がある事が窺われた.又,2例ともに,時に血清中に speckled 型の抗核抗体が認められた.しかるに,この抗核抗体は,染色パターン,抗体価ともに,皮疹の消長との関連を思わせる様な変動は示さなかった.2例の血清は,時にラテックス凝集反応の陽性所見をも呈し,血清中でのリウマチ因子の存在が示唆された.しかるに,特に冬季に,リウマチ因子が血清中に出現するといった傾向は認められなかった Sephadex G-200カラム及び抗ヒト lgM 血清を用いたウクテロニー法にて,このリウマチ因子は,lgM 分画に属する事が示唆された. 2例の冬季の血漿の粘度及び降伏ずり応力について検索した結果,37°Cでの測定では血漿粘度,降伏ずり応力は2例ともに正常域内にあった.しかるに,20°Cの測定では,1例が血漿粘度及び降伏ずり応力の上昇を呈した.