日本皮膚科学会雑誌
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Systemic lupus erythematosus 血清中のDNA・anti-DNA complexes -Raji cellassay による証明-
川名 誠司西山 茂夫
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1982 年 92 巻 5 号 p. 567-

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抄録

Raji cell radioimmunoassay (RIA)により,76例の SLE 患者血清中の circulating immune complexes (CIC) を測定したところ PSS, morphea, dermatomyositis 患者血清および健常人血清と比べ,高頻度(79%),高濃度 (397μg/ml)に認められた. SLEのCIC の構成成分として DNA ・抗 DNA 抗体か関与するかを検索する目的で本実験を行なった. 1) SLE の CIC と抗 DNA 抗体価をしらべると,両者の間に明らかな相関はなかった.この理由として抗 DNA 抗体価は血清中 free の抗 DNA 抗体量を表わし,CIC 中の抗 DNA 抗体量を反映しなトためと考えられた. 2)あらかじめ4倍抗原過剰な状態で, 125I-DNA と抗 DNA 抗体を反応させ soluble immune complexes を作製し,それを Raii cell の表面リセプターに結合させた.ここにDNase lを作用させるとcomplexes中の1251-DNAが細胞上で消イヒされた. 3) 3例のSLE患者血清中CICをRaii cell に結合させ,2)と同様に DNaselで 処理したところ,新たに加えた 125I-DNA が細胞に有意にとりこまれた.これは抗原部分が DNase I で消化され,残った抗体部分が DNA と反応する性質をもつ immune complexes,すなわち DNA ・抗 DNA 抗体 complexes であると考えられた.以上より Raji cellRIA で検出される SLE の CIC は DNA ・抗 DNA 抗体 complexes を主な構成成分とすることが示唆された,

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© 1982 日本皮膚科学会
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