日本皮膚科学会雑誌
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凍結超薄切片法による表皮デスモソームの観察
鈴木 啓之垣見 重雄
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1983 年 93 巻 5 号 p. 497-

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抄録

ヒト皮膚を材料とし,超薄凍結切片を作製しネガティブ染色を施して表皮ケラチノサイトのデスモソームを観察した,その結果,1)付着板には,燐タングステン酸染色では粒状構造の重積が観察される.またモリブデン酸アンモニウム染色では,細胞膜におおむね垂直に柵状配列している直径3-4nmの細線維群がみとめられ,この細線維を付着板細線維と呼称した. 2)デスモソームに近接する張微原線維と付着板との間にも,また付着板と細胞膜との間にも付着板細線維と同様の細い線維が存在し,それらの一部は付着板細線維の延長としてみとめられる. 3)細胞間接着層からケラチノサイトの細胞膜に向って垂直に走る細い線維構造が存在する.これらの細線維要素により,相対するケラチノサイトはデスモソーム部で互いに複雑かっ有機的に結合されていると推測される.

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© 1983 日本皮膚科学会
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