過去10年間に長期経過観察が可能であった天疱瘡20例(尋常性13例,落葉状7例)のうち,11例(尋常性8例,落葉状3例)はステロイド離脱に成功し,それら症例での離脱時の抗表皮細胞間抗体価は10倍または陰性であり,離脱時の指標となると思われた.またLeverら2)3)の提唱する大量療法は本邦においては副作用の発現が顕著で試みるべきではないと思われた.初期投与量としては,prednisolone等量30~60mg/日が適当であろう.また若年者程ステロイドの離脱が容易である傾向がみられた.難治例に対しては,金製剤の併用が有効であった.