日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
94 巻 , 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 山口 茂光
    1984 年 94 巻 10 号 p. 1109-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    乾癬における末梢血T細胞機能の解析のため,乾癬患者の血清免疫グロブリン値やin vitro免疫グロブリン産生能等を検索し,以下の結果を得た.1)血清免疫グロブリン値,特にIgA値が高値を示した.2)in vitro免疫グロブリン産生,特にIgA産生の亢進がみられた.3)健康人non-T細胞のin vitro免疫グロブリン産生に対するT細胞helper活性は,健康人T細胞のそれより宜進していた.4)健康人T細胞との混合培養によるnon-T細胞のin vitro免疫グロブリン産生能は,健康人non-T細胞のそれに比較し,IgA産生系で亢進の傾向がみられた.5)以上のような血清免疫グロブリン異常やT細胞の機能亢進は最近発症ないし急性増悪した症例に著明であった.病巣の広がりと血清免疫グロブリン値やin vitro免疫グロブリン産生能の間には一定の関係はみられなかった.以上の結果より,乾胤特に発症初期や急性増悪期に末梢血T細胞のhelper活性が一時的に亢進し,その結果免疫グロブリン(特にIgA)産生の亢進,血清免疫グロブリン(特にIgA)値の上昇がおこるものと考えた.今回の成績は乾癬の発症病理における免疫異常の関与を示唆させる.
  • 田辺 俊英
    1984 年 94 巻 10 号 p. 1115-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    Behcet病の病態生理を免疫学的な面から解明するため,患者の血清免疫グロブリンおよび補体成分を測定し,また皮膚・粘膜病巣,針反応陽性部位およびヒスタミン皮内反応部位を免疫組織学的に検討した.患者48例中30例(活動期24例,寛解期6例)について血清免疫グロブリン,補体成分およびIgG免疫複合体の全部または一部を測定した結果,患者群の血清IgA,IgM,C3,C5の平均値は健常人群におけるよりも有意に高いこと,また活動期患者群の血清IgAの平均値は寛解期患者群におけるよりも有意に高いことが明らかにされた.なお,IgG免疫複合体の異常高値は活動期例にのみ認められた.また,上述の患者から採取した結節性紅斑様皮疹30個(発生後3日以内の早期病巣12個,4日以上経過した病巣18個),毛包炎様皮疹6個,外陰部潰瘍4個,口腔粘膜の潰瘍3個,針反応陽性部17個およびヒスタミン皮内反応部11個を免疫組織学的に検索した結果,結節性紅斑様皮疹では真皮血管壁へのIgMおよび各種補体成分の沈着が検出されたが,その検出率は4日以上経過した病巣よりも3日以内の早期病巣において著しく高いこと,また発生後の経過日数が不明であったその他の皮膚・粘膜病巣ではいずれもC3の沈着のみ検出された.針反応陽性部でも真皮血管壁へのIgMおよび各種補体成分の沈着が高率に検出されたが,さらにIgAおよびproperdinも時に検出された.これらの成績および皮膚・粘膜病巣や針反応陽性部がいずれも好中球を主体とした急性滲出性炎症の像を示すことから,本症の病変の発現には免疫学的機構が関与すること,その機構はIgM抗体のFc部位へのClqから始まるclassical pathwayにしたがって進行することが推測された.しかし,alternative pathwayにしたがって進行する機構も除外できないように思われた.また,針反応は本症の免疫学的病態を反映する有用な検査法と考えられた.なお,ヒスタミン皮内反応部ではIgMおよび補体成分が検出されたが,その検出率は患者群と健常人群との間に有意差が認められなかった.
  • 晒 千津子, 橋本 公二, 西岡 清
    1984 年 94 巻 10 号 p. 1129-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    過去10年間に長期経過観察が可能であった天疱瘡20例(尋常性13例,落葉状7例)のうち,11例(尋常性8例,落葉状3例)はステロイド離脱に成功し,それら症例での離脱時の抗表皮細胞間抗体価は10倍または陰性であり,離脱時の指標となると思われた.またLeverら2)3)の提唱する大量療法は本邦においては副作用の発現が顕著で試みるべきではないと思われた.初期投与量としては,prednisolone等量30~60mg/日が適当であろう.また若年者程ステロイドの離脱が容易である傾向がみられた.難治例に対しては,金製剤の併用が有効であった.
  • 天野 倫子, 麻生 和雄
    1984 年 94 巻 10 号 p. 1135-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    乾癬患者にレチノイド(Ro-10-9359,日本ロシュ)を投与し,経時的に末梢血白血球の遊走能の測定を行なった.その結果,投与後,皮疹の改善と共に,遊走能の低下が認められた.また,投与を中止すると上昇傾向を示し,そのうち大幅な上昇を示した例では皮疹の再燃傾向が認められた.一方,in-vitroにおいて,多核白血球と遊走因子との結合にレチノイドは抑制的に働き,さらにレチノイドを除くと結合の回腹傾向が認められた.この臨床結果とin-vitroでの実験から,レチノイドは白血球に対して直接的に運動能を抑制すると共に,白血球膜上での遊走因子との結合をレチノイドが抑制する可能性もあると考えた.
  • 中川 浩一, 石井 正光, 濱田 稔夫, 大橋 誠
    1984 年 94 巻 10 号 p. 1141-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    前■骨部粘液水腫の1例に対して電顕的検索を行なった.通常の固定,包埋を施行したものに加えて,ルテニウムレッド染色(Luft法)の変法を施したものについても比較検討した.この変法では本症におけるルテニウムレッド陽性物質をこれ迄の報告以上に明瞭に示すことが出来た.膠原線維束の間隙には,ルテニウムレッド陽性の点状不定形の物質が充満し,それらをつなぐ網目状構造が観察された.網目状構造を構成する微細線維には,側鎖のような構造は認められず,丘疹性ムチン沈着症にて報告されたと同様のプロテオグリカンアグリゲートの形成不全が示唆された.また,膠原線維に付着したルテニウムレッド陽性顆粒や崩壊した膠原線維が網目状構造の中へ混入していくような部分も認められ,膠原線維もムコ多糖の沈着に関与しているのではないかと考えられた.
  • 結城 直方, 伊藤 雅章, 佐藤 信輔, 佐藤 良夫
    1984 年 94 巻 10 号 p. 1149-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    特異な胞体内封人体を有する疣贅の1例を報告し,その電顕所見について論じた.症例は16歳女子で1年前より右手掌に小丘疹が出現した.病理組織では丘疹部の有棘~顆粒層の細胞の胞体内に円形ないし類円形の均質な好酸性封人体が認められた.顆粒層の細胞で封人体を有するものの核内には電顕的にヒト疣贅ウイルスに一致する直径35nmの粒子の結晶状配列がみられた.胞体内封人体はelectron denseな線維と,よりdenseで太い線維の2種類から構成される凝集塊であり,周囲にはリボゾーム様物質が付着してみられた.この構造は基底層直上から角層内まで不変であった.自験例はmyrmeciaと呼ばれる封人体をもつ疣贅と考えられるが,自験例の胞体内封人体の超微細構造は従来報告されているケラトヒアリンの凝集塊を示唆するものとは異なり,張原線維の凝集塊が主体をなすものと考える.
  • 大草 康弘
    1984 年 94 巻 10 号 p. 1155-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    正常ヒト皮膚,特に表皮,エックリンおよびアポクリン汗腺,また脂腺における複合糖質糖鎖の性状,分布を調べるために,糖特異性の判明しているConA,WGA,RCA-I,PNA,SBA,DBA,UEA-Iの各レクチンを用い検討を加えた.方法はビオチン化レクチンとアビジン-HRPを用いる間接法によった.表皮では角質層を除くすべての細胞層でConA,WGA,RCA-Iが陽性反応を示こ特にRCA-Iは上部有棘細胞および顆粒細胞の細胞膜に強い陽性反応を示した.一方PNAは有棘細胞,顆粒細胞の主として細胞膜に,SBAは上部有棘細胞,顆粒細胞の主として細胞膜に陽性反応を示した.エックリン汗腺分泌部では表層・基底細胞ともConA,WGA,RCA-Iに陽性反応を示し,特にRCA-Iは表層細胞の細胞質に顧粒状の陽性反応を示した.一方SBA,DBAは基底細胞に強陽性反応を示した.アポクリン汗腺では,分泌部の腺細胞はConA,WGA,RCA-Iで陽性反応を示し,特にRCA-Iは細胞質に顆粒状の陽性反応を示した.またPNAは腺腔に面した細胞膜のみ陽性反応を示した.脂腺ではConA,WGA,RCA-I,PNAおよびSBAが細胞膜,脂肪滴間の細胞質に陽性反応を示した.以上の結果よりヒト表皮では,表皮基底細胞が分裂し,有棘細胞,次いで顆粒細胞へと分化するに従い,形態の変化のみならず細胞の持つ糖鎖も変化していくことが判明した.エックリソ汗腺分泌部では,表層細胞および基底細胞はいずれもその細胞の持つ糖鎖が異なっており,それぞれの糖鎖に特異性を持つレクチンにより両細胞の識別が容易になることが示唆された.またアポクリン汗腺はエックリン汗腺とは異なる糖鎖を持つことが判明した.脂腺では表皮と同様にDBA,UEA-Iを除く今回用いたすべてのレクチンで陽性反応が認められ,両者の持つ複合糖質糖鎖の類似性を示しているものと考えられる.
  • 大草 康弘
    1984 年 94 巻 10 号 p. 1165-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    外陰Paget病のPaget細胞の持つ複合糖質精鎖の性状,特異性を調べるために7種類のレクチン(ConA,WGA,RCA-I,PNA,SBA,DBA,UEA-I)を用いて組織化学的に検索した.また乳房Paget病,悪性黒色腫,Bowen病,有棘細胞癌,基底細胞上皮腫,脂漏性角化症とも比較検討した.方法はビオチン化レクチンとアビジン-HRPを用いる間接法によった.さらに一部のレクチンについてはHRP標識レクチンを用いた直接法により電顕的にも結合部位を検索した.外陰Paget病のPaget細胞はConA,WGA,RCA-I,DBAで陽性,PNA,SBA,UEA-Iでは一部のPaget細胞が陽性反応を示した.一方,乳房Paget病,悪性黒色腫,Bowen病,有棘細胞癌,基底細胞上皮腫,脂漏性角化症の腫瘍細胞はConA,WGA,RCA-Iで陽性反応を示したが,他のレクチンでは乳房Paget病がSBA,DBA,UEA-Iに一部陽性,Bowen病がPNA,SBAに一部陽性を示したのみであった.また電顕的検索により外陰Paget病のPaget細胞の細胞膜とゴルジ装置にDBAの結合部位を認めた.以上よりDBAは外陰Paget病のPaget細胞の持つ糖鎖に極めて特異性の高いレクチンであることが示唆された.
  • 1984 年 94 巻 10 号 p. 1173-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top