日本皮膚科学会雑誌
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EBウイルス感染を原因として発症したinfantile papular acrodermatitisの1例
青木 重信加藤 英行北島 康雄矢尾板 英夫
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1984 年 94 巻 13 号 p. 1557-

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抄録

EBウイルス感染を原因として発症したinfantile papular acrodermatitisの1例を報告した.患者は1歳2ヵ月の男児.感冒様症状に伴い,紅色丘疹が両下腿に出現し,急速に四肢,殿部,顔面に対側性播種状に多発した.瘙痒は伴なわない.表在リンパ節は腋窩,ソケイ部で触知された.血液検査でリンパ球増多や異型リンパ球の出現はなかったが,軽度の肝障害を認めた.Paul-Bunnel反応は陰性.血清ウイルス学的に,HBs抗原は陰性であったがEpstein-Barrウイルス(以下EBV)のviral capsid antgienに対する抗体(VCA抗体)およびearly antigenに対する抗体(EA抗体)が上昇しており,EBウイルス感染であることが確認された.

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© 1984 日本皮膚科学会
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