1985 年 95 巻 14 号 p. 1523-
3歳女子の外陰部,34歳男子の顔面に発生したcutaneous focal mucinosisの2例を報告した.自験例2例とも,グリコサミノグリカン産生細胞と思われる線維芽細胞様細胞の増殖とヒアルロン酸の過剰産生をみた.電顕的な観察では,ルテニウム赤染色法において間質領域にルテニウム赤陽性の網目状構造を認め,これはヒアルロン酸の過剰産生によるものであると考えた.タンニン酸染色法においても間接的にグリコサミノグリカン(またはプロテオグリカン)を観察し得た.また自験例を検討し,cutaneous focal mucinosisとmyxoma,cutaneous myxoid cystは本質的に同一の疾患であると考え,組織学的差異は皮疹の成育時期の差や皮疹発生部位の差であると推察した.