日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
悪性黒色腫の蛍光法による細胞診
森嶋 隆文柴田 明彦兼松 秀一深田 栄俊花輪 滋長島 典安
著者情報
ジャーナル 認証あり

1985 年 95 巻 4 号 p. 505-

詳細
抄録
肉芽腫様隆起病巣を伴った悪性黒色腫2例を被験材料とし,通常の細胞診によって標本を作製し,formaldehyde gas処理を行い,直ちに蛍光顕微鏡下に観察し,次の興味ある知見をえた.1)病巣割面からのスタンプ蛍光法が手術時の迅速診断法になりうること,2)肉芽腫様病巣であれば病巣表面からのスタンプ蛍光法が黒色腫の術前の確定診断に有用であること,3)非潰瘍性病巣でも手術直前の穿刺吸引法に対する蛍光法が黒色腫の診断に役立ちうること,4)本法の手技は簡易で,結果をうるまでの所要時間はいずれの標本でも約30分以内であったことなどである.
著者関連情報
© 1985 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top