日光露出部の紅斑や色素斑などの皮膚症状が色素性乾皮症(XP)としては極めて軽い2例(XP24KO,15歳女とXP26KO 8歳男)を相補テストから本邦最初のXPE群と同定し,臨床的光線過敏症および培養線維芽細胞を用いた紫外線(UV)致死感受性をXPA群およびvariant群との対比で追求した.2症例共に,病歴と経過観察から10歳過ぎより日光過敏性が減じてきたことが明らかとなった.特にXP26KOは戸外運動を普通に行っているが異常な日焼け反応はなく強いびまん性色素沈着,多数の褐色小色素斑および軽度の乾燥傾向を認めるのみであった.24KOは18歳,26KOは14歳まで日光露出部の発癌はない.不定期DNA合成は正常ヒトの40~50%であり,細胞のUV致死感受性は24KOでDo値が2.3J/m2,n値は1.5,26KOはDo値が2.4J/m2,n値は1.8であった.XP variantに近似した症状を呈するXPでは確定診断には相補テストが重要である.又,XP各群の細胞致死感受性,修復活性および突然変異性などの相関解析がUV発癌やUV紅斑の発生機序の解明に役立つと考えられた.