日本皮膚科学会雑誌
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95 巻 , 7 号
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  • 市橋 正光, 中西 孝文, 上田 正登, 林部 一人, 藤原 美定, 西岡 和恵
    1985 年 95 巻 7 号 p. 721-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    日光露出部の紅斑や色素斑などの皮膚症状が色素性乾皮症(XP)としては極めて軽い2例(XP24KO,15歳女とXP26KO 8歳男)を相補テストから本邦最初のXPE群と同定し,臨床的光線過敏症および培養線維芽細胞を用いた紫外線(UV)致死感受性をXPA群およびvariant群との対比で追求した.2症例共に,病歴と経過観察から10歳過ぎより日光過敏性が減じてきたことが明らかとなった.特にXP26KOは戸外運動を普通に行っているが異常な日焼け反応はなく強いびまん性色素沈着,多数の褐色小色素斑および軽度の乾燥傾向を認めるのみであった.24KOは18歳,26KOは14歳まで日光露出部の発癌はない.不定期DNA合成は正常ヒトの40~50%であり,細胞のUV致死感受性は24KOでDo値が2.3J/m2,n値は1.5,26KOはDo値が2.4J/m2,n値は1.8であった.XP variantに近似した症状を呈するXPでは確定診断には相補テストが重要である.又,XP各群の細胞致死感受性,修復活性および突然変異性などの相関解析がUV発癌やUV紅斑の発生機序の解明に役立つと考えられた.
  • 高橋 昌江, 手塚 正
    1985 年 95 巻 7 号 p. 731-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    1.ヒト足底角層中にみられた分子量16,000のcystine-rich proteinを精製し,horseradish peroxidaseとの結合物を用いて家兎に免疫して抗体を作製した.2.生成した抗体を用いて蛍光抗体法を行ったところ,顆粒層から角層下部にかけて網目状の蛍光がみられた.3.したがって表皮組織のDACM染色時にみられる顆粒層から角層にかけての網目状蛍光の一部は分子量16.000のcystine-rich proteinに基づいていることが示された.
  • 堀尾 武, 岡本 祐之, 三谷 恒雄, 今村 貞夫
    1985 年 95 巻 7 号 p. 737-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    昭和40年から59年までの20年間に,紅皮症の診断の下に入院した67症例を分析検討した.60歳~70歳に症例数のピークがみられ,男女比は5:1で,従来の報告と比較して高齢男子に偏る傾向がより大であった.年次別症例数に大きな変動はなかったが,原因別にみると最近では原因不明群,薬剤群がやや減少し,乾癬群とアトピー性皮膚炎群が増加する傾向がうかがわれた.入院中あるいは退院直後の死亡例は10例であり,死因は呼吸・循環器系にあった.検査データで特徴的な項目は,白血球増多,貧血,好酸球増多,IgE上昇などであったが,乾癬性紅皮症では異常所見を示す症例が少なかった.紅皮症の発症機序,高齢者に好発する理由は不明であるが,以上の統計的観察から,suppressor T cellの減少あるいは機能異常による可能性を仮定してみた.
  • 竹内 誠司
    1985 年 95 巻 7 号 p. 743-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    モルモットの側腹部に2種の異物を皮内注射し,その異物排除現象におけるfibronection(FNと略)の関与を免疫組織学的に検討した.異物の1つはcharcoal activated powder(CAPと略)であり,他はCandida albicansの酵母形細胞(カンジダと略)である.後者はさらに1.0×108/ml生菌,死菌,および1.0×106/ml生菌(それぞれ108生菌,108死菌,106生菌と略)の3条件にわけて用いた.経毛包性排除を示したCAPにおいては,FNは真皮において浸潤細胞とともにCAPに密接して認められ,またCAPを取り込んで肥厚した毛包周囲に著明に認められた.カンジダにおいては108生菌においてのみ経上皮性排除がみられ,FNは膿瘍周囲,再生表皮周囲および異物排除後の真皮に著明に認められた.以上の所見より,CAPにおいてはFNは好中球とCAPの接着,好中球と基質の接着,および組織球の貪食に関与していることが推測された.またFNはCAPを捕捉した好中球の毛包への移動を容易にし,毛包への移動の方向づけを与えていることが示唆された.カンジダの108生菌においては,真皮内に生じた大きな異物を排除しようとする再生表皮の伸展,方向づけにFNが重要な役割を演じているほか,異物排除後の創傷治癒過程にも関与していることが考えられた.
  • 清水 直也, 伊藤 雅章, 佐藤 良夫
    1985 年 95 巻 7 号 p. 757-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    組織学的に封入体を有するウイルス性疣贅(inclusion warts),いわゆるmyrmeciaを経験し,その5例について電顕的に検索した.光顕的には円形で好酸性のものと不整形で好塩基性のものの2種の核内封入体,および不整形で好酸性~好塩基性の種々の程度に染色される細胞質内封入体が認められた.電顕的に,円形核内封入体はケラトヒアリン様物質であり,不整形核内封入体は核小体とその周囲に存在するウイルス粒子であった.細胞質内封入体の多くは高電子密度のため内部構造が不明だが,一部の材料で電子密度がやや低く,その内部構造を観察することができた.すなわち,そこには正常径の張原線維の集塊が存在し,細胞質内封入体は張原線維・ケラトヒアリン物質複合体であることが示唆された.角層に到るとケラトヒアリン物質は消失し,正常のケラチンパターンが出現し,周辺帯の形成も正常であった.細胞質内封入体内部の個々の線維は正常で,その凝集が早期に発現されることが重要な変化であると考えられた.本症の表皮細胞では,ケラトヒアリン物質の産生異常が存在している.
  • 森 理, 蜂須賀 裕志, 野村 洋文, 坂本 文野, 笹井 陽一郎
    1985 年 95 巻 7 号 p. 765-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    表皮肥厚とLangerhans細胞との関係を知るために,実験的に肥厚させたモルモット表皮におけるLangerhans細胞について検索した.表皮肥厚は,Retinoidの内服あるいは外用,N-Hexadecanの外用,およびN-Hexadecan外用後のRetinoid内服によりおこなった.Langerhans細胞の検索は,EDTA処理により]R離した表皮についてATPase染色およびIa染色によりおこなった.その結果,表皮肥厚時には一過性にLangerhans細胞数の減少を認め,表皮肥厚が改善されるにつれてLangerhans細胞数も回復した.したがって表皮肥厚とLangerhans細胞との間に何らかの関係が存在することが示唆された.
  • 長谷川 健二, 政本 幸三
    1985 年 95 巻 7 号 p. 771-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    男性型脱毛症患者と健常人の抜去毛の酵素動態につき比較検討した.男性型脱毛症患者毛根部のDNA,蛋白量は側頭部,前頭部,頭頂部の順に低下を示すが各部位のDNA/蛋白比は健常人のそれと同等,且つ一定値であった.脱毛を起しやすい頭頂部と前頭部ではエネルギー代謝に関与している糖代謝酵素の著しい活性低下がみられるにもかかわらず,角化に関与しているacid hydrolaseとtransglutaminase活性に変動は認められない.このことは男性型脱毛症における毛根部細胞内変化として細胞数の減少とエネルギー産生の低下があげられ,角化は正常に進行していると推測させた.
  • 山城 一純, 鳥山 史, 三好 紀, 篠田 英和, 堀 真, 吉田 彦太郎, 蜂須賀 裕志
    1985 年 95 巻 7 号 p. 779-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    Merkel cell carcinoma of the skinの1例を報告し,若干の文献的考察を加えた.症例は68歳の女性.右頬部に腫瘤を形成.組織学的にはほぼ典型的なtrabecular carcinomaの像を認めた.電子顕微鏡学的検索で,腫瘍細胞は主としてlarge cellとsmall cellの2種類からなっていることが明らかとなった.Large cellの一部の細胞質内では直径約100nmのmembrane coated dense core granuleが数個認められた.経過観察中,右側頚部および右耳前部のリンパ節に転移を認めたため,郭清術を施行した.その後ピシバニールの皮下注射を行ない,また皮膚腫瘍巣切除術部の皮膚広範囲切除術を施行した.以後約2年を経過しているが,再発は認められていない.また腫瘍細胞質にneuron specific enolase,acid α-naphtyl acetase esteraseが存在することを明らかにした.
  • 山口 茂光, 田中 正明, 斉藤 昭雄, 林 良一, 佐藤 良夫
    1985 年 95 巻 7 号 p. 791-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    乾癬における免疫能の解析の1つとして,PUVAを受けている患者の免疫能を検索した.施行した検査はpokeweed mitogen(PWM)誘導免疫グロブリン(Ig)産生,健康人non-T細胞に対するhelper活性(% helper function),autologous mixed lymphocyte reaction(AMLR)誘導helperおよびsuppressor活性である.1)PUVAで治療した患者群(PUVA治療群)と治療しない群(PUVA未治療群)の比較では,前者にAMLR誘導helper活性が低い傾向にあった.2)PUVA未治療群とPUVA治療群,特に8-MOP内服によるPUVAを受けている群の増悪群同士を比較すると,後者のほうにPWM誘導Ig産生,%helper function(IgA),AMLR誘導helper活性が低い傾向にあった.しかし,AMLR誘導suppressor活性では両者に差は認められなかった.3)PUVA未治療群とPUVA治療群の慢性群,改善群同士の比較ではすべての検索で差がなかった.4)PUVAを受けている汎発型と限局型の症例の比較では,増悪群の症例や8-MOP内服によるPUVAを受けている症例の割合が両者で異なるため,はっきりした傾向は出なかった.以上の成績は,PUVA,特に8-MOP内服によるPUVAが,弱いながらT細胞helper活性を抑制していることを示唆する.
  • 小篠 栄, 進藤 泰子, 高瀬 吉雄, 小林 孝夫, 橋本 隆
    1985 年 95 巻 7 号 p. 799-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    大動脈瘤破裂と思われる出血が原因で死亡したEhlers-Danlos症候群Ⅳ型(以下ED-Ⅳ)の1例を報告した.臨床的には過弾力性の皮膚,萎縮性の巨大瘢痕,皮下血管の脆弱性,著明な薄い皮膚などが特徴的であった.皮膚のコラーゲン型分析を行なったところⅢ型コラーゲンが著明に低下しており,ED-Ⅳと考えられた.本症はⅢ型コラーゲンの遺伝子発現の研究に貴重なモデルと考えられる.
  • 阿部 順一, 野村 洋文, 蜂須賀 裕志, 森 理, 笹井 陽一郎
    1985 年 95 巻 7 号 p. 807-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    EDTA処理により]R離した表皮を0.25% Trypsin内に20℃,20分間浸漬することにより表皮細胞を分離した.次いで分離した表皮細胞をコロイド状シリカ(Percoll)の密度勾配法により,比重1,088以上,1.050~1.088,および1,050以下の3つに分画した.各分画の細胞を透過および走査電子顕微鏡を用いて検索した.その結果,各分画はそれぞれ基底細胞,有棘細胞,そして顆粒細胞に富むことがわかった.また分離分画処理による細胞の変化は極めて軽微であった.
  • 1985 年 95 巻 7 号 p. 811-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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