抄録
ヒト包皮をトリプシン処理にて,表皮と真皮に分離し,各々よりプロナーゼ消化にて酸性ムコ多糖を抽出し,セルロースアセテート膜電気泳動で分離同定,定量した.その結果,表皮,真皮の酸性ムコ多糖量はそれぞれ3.4±1.0,7.4±1.2μg uronic acid/mg dry weightであり,表皮には真皮の約半分の量が認められ,ヒアルロン酸のみが検出された.またヒト包皮より表皮細胞をfeeder layerなしに培養し,3H-glucosamineをtracerとして酸性ムコ多糖の合成を調べた.酸性ムコ多糖は明らかに合成されており,その大部分はヒアルロン酸であった.以上より表皮の酸性ムコ多糖は,真皮の線維芽細胞に由来するものではなく,表皮細胞により合成されるという可能性が示唆された.