日本皮膚科学会雑誌
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95 巻 , 9 号
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  • 野村 洋文
    1985 年 95 巻 9 号 p. 943-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    Etretinate投与における表皮細胞の変化をみるために,モルモット表皮細胞をPercollを用いて分画し,SH基およびS-S結合,核DNA及びRNAを測定し,さらに切片標本における表皮細胞のレクチン結合様式について検索した.染色は,SH基及びS-S結合はN-(7-dimethyl-amino-4-methyl-3-coumarinyl)maleimide,核DNA及びRNAはAcridine Orangeを用い,レクチンによる染色はパラフィン包埋を用い間接標識法によりCon A,RCA-I,PNA,SBA,DBAの5種を行った.SH基量は,基底細胞分画でEtretinate投与14日で減少した.有棘細胞および顆粒細胞分画では投与3日,7日,14日となるに従って減少した.S-S結合量は,ほとんど変化なかった.基底細胞のDNA量,RNA量より算出した細胞周期により,G0/G1比は投与1日目で減少し,以後次第に投与前の状態に近づいた.レクチンの結合様式の変化は,Con A及びRCA-Iでは,変化はほとんど認められなかった.PNAは投与7日,14日で有棘層及び顆粒層で減弱した.SBAでは投与1日より有棘層及び顆粒層において減弱したが,14日では投与前のものと同様であった.DBAはSBAとほぼ同様な傾向を示した.これらの結果より,Etretinate 5mg/kg/day投与による表皮細胞の変化は,G0期の減少を伴う細胞周期の促進と,細胞膜糖鎖の面からみた分化の遅延にもとづくものと思われる.
  • 児島 孝行, 岡本 昭二, 藤田 優, 北 耕平
    1985 年 95 巻 9 号 p. 949-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    長期に及ぶアルコール多飲,栄養不良が病因と考えられる,47歳,女性のペラグラの1例を報告した.螢光ランプFL20SE,FL20BLB,FL20Bを用いて光線過敏性テストを施行した.FL20SEによる最少紅斑量(minimal erythema dose,MED)は正常範囲であり,FL20BLB,FL20Bの30分間密着照射でも異常反応はなかった.しかし,8MED照射では,照射野に一致して紫紅色紅斑・落屑・水疱形成など原病に類似した病変を生じた.対照6名には8MED照射でもこのような変化は生じなかった.これらの結果は,自験例の皮疹は一義的光線過敏には因らないものの,外力として加わった光が何らかの原因により健常者より強く皮膚を障害し,皮疹を形成することを示唆した.これはまたペラグラの皮疹の成因に関するHarberの説と矛盾しない所見と考えられた.
  • 原田 玲子, 東 冬彦, 木村 俊次, 多島 新吾, 西川 武二, 中村 絹代
    1985 年 95 巻 9 号 p. 955-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    Reticular Erythematous Mucinosis症候群の本邦第1例と思われる症例を報告した.患者は56歳,男で,十数年来,胸部から腹部にかけて,軽度に浸潤を伴う網状の紅斑局面が存在し,生検の結果,真皮浅層のムチンの存在,血管周囲の円形細胞の浸潤が認められ,Steiglederらの記載と一致する所見を得た.生化学的検索を行なったところ,健常部の約3倍のヒアルロン酸の増量が証明された.自験例においては,免疫学的異常,甲状腺機能異常は認められず,境界型糖尿病,嚢胞腎,下肢のアレルギー性血管炎の合併が認められた.本症の本態,位置付け,原因等についてはいまだ結論は出ていないが,自験例において皮疹の辺縁部分に円形細胞浸潤が多く認められており,この細胞浸潤が病因論的に何らかの意味を持つように思われた.
  • 佐藤 健二, 池永 満生, 佐藤 吉昭, 喜多野 征夫, 佐野 栄春
    1985 年 95 巻 9 号 p. 963-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    色素性乾皮症(XP)患者を太陽紫外線から保護する方法を検討した.A群XP患者の皮膚における紫外線紅斑の作用波長は,中波長紫外線のみならず340nmにまで及ぶことが知られている.この波長域の紫外線を効率よく遮断することを目的として種々の素材を調べた.その結果,服の生地では軽くて蒸気をよく通すハイレークエレット(太糸)があり,これを用いた衣服にフードを付け,フードの前にボンセットやUVC-400(農業用紫外線遮断フィルム)を垂らすと外出が可能となる.また,窓ガラスを透過した太陽光線には上記波長域の紫外線が含まれているが,窓ガラスに,スコッチティントP-70,ガラステクト,サーモラックスTF-100,サンマイルドCL-クリアーなどを貼ればこれを除くことができる.室内照明には,紫外線を含まない退色防止用蛍光ランプがある.これらの方法により,XP患者は,日常生活において,日焼けとそれにもとづく種々の皮膚障害を防ぐことができる.
  • 坂本 文野, 蜂須賀 裕志, 森 理, 野村 洋文, 笹井 陽一郎
    1985 年 95 巻 9 号 p. 969-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    S100蛋白とNeuron Specific Enolaseの各種皮膚腫瘍疾患における染色性を,免疫組織化学的に検討した.S100蛋白はSchwann細胞由来の腫瘍,悪性黒色腫,色素性母斑などに存在し,またHistiocytosis XにおいてもS100蛋白陽性細胞を認めた.一方,NSEは悪性黒色腫・色素性母斑の一部,神経由来の腫瘍,Merkel cell tumor,Eccrine poroma,So-called mixed tumor,肺癌などからの転移性皮膚癌が陽性であった.これらの結果よりS100蛋白,NSEは皮膚腫瘍のマーカーとしての応用が可能である.
  • 木花 光
    1985 年 95 巻 9 号 p. 979-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    ヒト包皮をトリプシン処理にて,表皮と真皮に分離し,各々よりプロナーゼ消化にて酸性ムコ多糖を抽出し,セルロースアセテート膜電気泳動で分離同定,定量した.その結果,表皮,真皮の酸性ムコ多糖量はそれぞれ3.4±1.0,7.4±1.2μg uronic acid/mg dry weightであり,表皮には真皮の約半分の量が認められ,ヒアルロン酸のみが検出された.またヒト包皮より表皮細胞をfeeder layerなしに培養し,3H-glucosamineをtracerとして酸性ムコ多糖の合成を調べた.酸性ムコ多糖は明らかに合成されており,その大部分はヒアルロン酸であった.以上より表皮の酸性ムコ多糖は,真皮の線維芽細胞に由来するものではなく,表皮細胞により合成されるという可能性が示唆された.
  • 上田 由紀子
    1985 年 95 巻 9 号 p. 985-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    青年性扁平疣贅には,自然治癒があることが知られているが,発病から自然治癒までの期間にはばらつきがあり,2年前後に1つのピークがある可能性がある.しかし,治療することにより,初診から3ヶ月で52%の例が,6ヵ月で66%,1年で77%が治癒している.当科での治癒率は85%であった.治癒率は,皮疹の数には影響を受けないが,男子例では女子例より早く治癒する傾向があり,また小児例では成人例より早く治癒する傾向があった.罹患期間は治癒率と相関しないが,治癒までの期間とは相関が認められた.すなわち,罹患期間の短い症例ほど短い治療期間で治癒する傾向が見られた.また未治療の症例が早く治癒する傾向がみられた.色素沈着のある症例の治癒率は低かった.治療薬剤はプラセボや暗示療法を含めて,治療方法による治癒率の有意差は認められなかったので,いずれの治療法もある程度の治癒率はえられるが,薬剤の薬理作用による効果とはいえないと考えられた.しかし,罹患期間の平均が24,1ヵ月であるにもかかわらず,治療を開始すると,2ヵ月で3分の1,3ヵ月で2分の1の患者が治癒していることから,これらの症例は,やはり治療するという暗示効果により治癒したものと考えた.治療法別にみると,各々の治療法単独では,その治療法を始めて1~2ヵ月目に治癒する例が多く,治癒率は3ヵ月以降漸減するので,数種の治療方法で,適宜治療法を変更しながら治療することが,その暗示効果を含めて,現在では最も良い方法であると考えた.
  • 近藤 雅雄
    1985 年 95 巻 9 号 p. 995-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    晩発性皮膚ポルフィリン症(porphyria cutanea tarda,PCT)患者5例中,2例において赤血球ウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素(uroporphyrinogen decaboxylase,URO-D)活性が正常の50%以下に低下していることを見出した.
  • 1985 年 95 巻 9 号 p. 997-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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