日本皮膚科学会雑誌
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P. acnesとS. epidermidisに対する遊離脂肪酸の影響
中川 光子西嶋 攝子朝田 康夫
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1986 年 96 巻 10 号 p. 1007-

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抄録

毛包内常在菌であるPropionibacterium acnes(P. acnes)とStaphylococcus epidermidis(S. epidermidis)の二者の増殖に対する脂肪酸の影響をMICの測定により,in vitroで検討し,その形態の変化を走査電子顕微鏡にて観察した.使用した脂肪酸はlauric acid(C12),palmitic acid(C16),Stearic acid(C18),oleic acid(C18:1)である.その結果,S. epidermidisはlauric acid 200μg/ml以上,oleic acid 100μg/ml以上で発育阻止され,P. acnesはlauric acidの200μg/ml以上においてのみ発育阻止された.また形態学的にも発育抑制の状態が走査電子顕微鏡下に明らかに観察された.

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© 1986 日本皮膚科学会
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