日本皮膚科学会雑誌
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アミロイド沈着がみられたfriction melanosisの6例並びにアンケート調査によるfriction melanosisの頻度
馬場 安紀子谷口 恭子折原 俊夫古谷 達孝
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1986 年 96 巻 12 号 p. 1215-

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抄録

臨床的に鎖骨等の骨直上に好発する特異な色素沈着症いわゆるfriction melanosis(FM)の皮疹を呈し,しかも病理組織学的にアミロイドの沈着が認められた6症例を報告した.症例は男性1例,女性5例,年齢29~52歳,全例ナイロンタオル使用歴を有した.皮膚科外来を受診した種々の皮膚疾患患者を対象に,ナイロンタオルに関するアンケートを実施したが,男性274人中123人(44.9%),女性364人中234人(64.3%),総計638人中357人(56.0%)にナイロンタオル使用歴があり,年齢別では10,20,40各代の順に使用率が高かった.上記のアンケート調査638人中,骨直上に色素沈着が認められたものは,ナイロンタオル非使用者281人中1例(0.4%),使用者357人中18例(5.0%)の計19例(男性8例,女性11例)であった.当科において皮膚生検を施行したFM例は合計9例で,うち6例にアミロイドの沈着が認められた.自験例はFMに併発した続発性アミロイドーシスと考えられるが,本症と限局性皮膚アミロイドーシスの1型であるmacular amyloidosisとの関係についても論じた.

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© 1986 日本皮膚科学会
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