日本皮膚科学会雑誌
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96 巻 , 12 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 橋本 明彦, 亀山 孝一郎, 衛藤 光, 神崎 保
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1209-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    症例は,0歳,女児.生下時,両手背のびらん,四肢,口腔内に水疱を認め,組織学的に表皮下の水疱形成がみられ,電顕的にはbasal lamina下の水疱を認め,水疱部,非水泡部共にanchoring fibrilがほとんど認められなかった.基底細胞および真皮内膠原線維には変化を認めなかった.しかし,水疱は,生後1ヵ月以降には,まったく発生しなくなり,水疱部も瘢痕形成せずに治癒した.自験例は,最近,Hashimotoらが報告したTransient bullous dermolysis of the newbornの範疇にはいる症例と考え,その位置づけおよび病因について考察した.
  • 馬場 安紀子, 谷口 恭子, 折原 俊夫, 古谷 達孝
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1215-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    臨床的に鎖骨等の骨直上に好発する特異な色素沈着症いわゆるfriction melanosis(FM)の皮疹を呈し,しかも病理組織学的にアミロイドの沈着が認められた6症例を報告した.症例は男性1例,女性5例,年齢29~52歳,全例ナイロンタオル使用歴を有した.皮膚科外来を受診した種々の皮膚疾患患者を対象に,ナイロンタオルに関するアンケートを実施したが,男性274人中123人(44.9%),女性364人中234人(64.3%),総計638人中357人(56.0%)にナイロンタオル使用歴があり,年齢別では10,20,40各代の順に使用率が高かった.上記のアンケート調査638人中,骨直上に色素沈着が認められたものは,ナイロンタオル非使用者281人中1例(0.4%),使用者357人中18例(5.0%)の計19例(男性8例,女性11例)であった.当科において皮膚生検を施行したFM例は合計9例で,うち6例にアミロイドの沈着が認められた.自験例はFMに併発した続発性アミロイドーシスと考えられるが,本症と限局性皮膚アミロイドーシスの1型であるmacular amyloidosisとの関係についても論じた.
  • 高橋 昌江, 手塚 正
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1225-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    新生仔ラット表皮のliving cell layers抽出物および角層抽出物中には抗ヘマトキシリン染色陽性タンパク抗体と共通に反応する抗原が含まれていた.したがって角層細胞膜に存在したヘマトキシシリン染色陽性タンパクはliving cell layers中にも存在することが確認された.一方組織染色性から考えると,ラット表皮でヘマトキシリンに染色される物質は核を除くとケラトヒアリン顆粒のみである.抗ヘマトキシリン染色陽性タンパク抗体は核とは反応しないので,ヘマトキシリン染色陽性タンパクはケラトヒアリン顆粒由来の可能性が高い.この点を蛍光抗体間接法によって検討した.その結果酸性固定液で予め組織を固定することによってケラトヒアリン顆粒が陽性に染色された.また種々のラット臓器や他動物の皮膚,粘膜を用いてこの抗体の特異性を検討したところ,ラット皮膚のみにヘマトキシリン染色陽性タンパク抗原が認められ,この抗体は臓器特異性と種属特異性を有していた.
  • 倉員 正俊, 日高 桂子
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1231-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    抗ヒトカゼイン家兎血清を用いて,皮膚良性腫瘍と悪性腫瘍の免疫組織学的検索を行った.その結果,血管系の良性腫瘍ではvenous hemangiomaやangioleiomyomaの血管内皮細胞は陽性であったが,granuloma pyogenicumなどの内皮細胞増殖性の腫瘍は陰性であった.次に汗腺系の良性腫瘍ではmixed tumorやnodular hidradenomaなどは陽性でeccrine poromaなどは陰性であった.さらに皮膚悪性腫瘍ではPaget's diseaseやeccrine duct carcinomaが陽性反応を示し,squamous cell carcinomaなど表皮由来の悪性腫瘍はすべて陰性であった.以上の結果により,この抗血清は脈管系において,増殖性の血管内皮細胞の反応が陰性であることから内皮細胞の組織マーカーとしては第Ⅷ因子関連抗原より劣るが,付属腫瘍において上記の良性汗腺腫瘍とPaget's diseaseやeccrine duct carcinomaの悪性腫瘍の組織マーカーとしては非常に有用であることが判明した.
  • 高瀬 孝子, 馬場 徹, 上野 賢一
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1239-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    最近5ヵ月間(1985年6月~同10月まで)に,特異な臨床像を示すスポロトリコーシスを3例観察した.第1例は66歳の男で,鼻尖に腫瘍形成を示し,かつ表面にカンジダの混合感染がみられた固定型であった.第2例は60歳の農婦の左側の肩甲下部に生じた固定型で,尋常性乾癬の治療中に併発したものであった.第3例は72歳の農婦で,左0・ノ小結節の集合からなる原発病巣があり,前頚部皮下に転移巣がみられたリンパ管型で,痂皮内に多数の菌糸と胞子が認められた.全例ヨードカリ内服で治癒した.
  • 向井 秀樹, 衛藤 光, 山本 達雄
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1247-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    71歳,男性.上背部の斑状アミロイドーシスにて加療していたが,臀部にも瘙痒伴う皮疹がみられた.生検後,DylonおよびThioflavin-T染色を施行し,表皮直下と毛包周囲に肛門・仙骨部皮膚アミロイドーシスに特徴的な陽性物質をみとめたことより,肛門・仙骨部皮膚アミロイドーシスと診断した.しかしながら,HE染色標本にて,表皮直下のアミロイドは明らかに確認できるのに対し,毛包周囲では好酸性に染まる線維成分とやや好塩基性に染まる無構造物質がみられるのみで,アミロイドの存在は不明瞭であった.そこで,結節型を除く皮膚限局性アミロイドーシスにおけるアミロイド(以下,皮膚限局性アミロイドと略)の検出に有用性がみとめられているDACM染色およびモノクローナル抗ケラチン抗体EKH4による免疫組織化学的染色を施行した.その結果,上背部と臀部の表皮直下には特異蛍光をみとめるものの,毛包周囲では明らかな特異蛍光がみとめられなかった.したがって,今回の我々の研究により本症の特徴とされている毛包周囲のDylonおよびThioflavin-T陽性物質は,既知の皮膚限局性アミロイドとは明らかに異なる性格を有していることが判明した.そこでかかるDylon陽性物質は,表皮ケラチン以外の起源によるアミロイドあるいはアミロイドとは全く異なる物質の可能性が考えられた.
  • 上出 良一, 澤田 俊一, 山岸 玲子, 望月 恵子
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1253-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    最近発売された筋弛緩剤であるアフロクァロン(アロフト)内服約1ヵ月後より日光裸露部に紅斑を生じた2例につき報告した.本剤による日光過敏症の報告はこれまでにはない.光パッチテストは症例1のみ陽性.内服,光線照射による誘発試験は2例共陽性でアフロクァロンによる光線過敏型薬疹と診断した.モルモットを用いた光毒性試験ならびに赤血球に対する光溶血試験ではアフロクァロンそのものに光毒性は認められず,その発症機序として症例1では光アレルギー性,症例2では代謝産物による光毒性の可能性が考えられたがその詳細については今後更に検討を加える必要があると思われた.
  • 江川 政昭
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1259-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    ヒト皮膚真皮線維芽細胞の初代培養を用いて,その培養線維芽細胞の形態と機能に対するHydrocortisoneの影響を検討した.具体的には細胞の増殖能,蛋白合成,細胞表面を含む細胞形態,微小管,アクチンフィラメント,フィブロネクチンの分布,細胞の接着伸展性をとりあげた.低濃度のHydrocortisone投与では細胞増殖が促進され,血中生理的濃度に近い濃度(0.1μg/ml)で最も著明であった.高濃度(50μg/ml)では,細胞増殖は逆に抑制された.また加齢により,Hydrocortisoneに対する増殖能についての感受性は低下した.細胞形態については,細胞増殖を抑制した高濃度のHydrocortisone投与(50μg/ml)により,偏平,伸展大型化し,突起は縮小し,円形あるいは多角形化した.また細胞質内脂肪滴も著明に増加した.微小管の分布は組織化学的に不明瞭になり,またアクチンも減少したが太くて直線的なフィラメント束は著明になった.また細胞中央部の顆粒状に染まるフィブロネクチンも減少したが,細胞表面,細胞間質に線維状に染まるフィブロネクチンが増加した.そして継代培養後90分の観察では接着伸展性も著明に低下した.一方,細胞増殖を促進した低濃度のHydrocortisone投与(0.1μg/ml)でも高濃度のHydrocortisone投与ほど著明ではないが,形態像,接着伸展性において同様の変化がみられた.これらの結果は,Hydrocortisoneはヒト皮膚線維芽細胞に対して,その形態と機能,増殖能などに多彩な影響を与えることを示唆している.またアクチンフィラメント,微小管,フィブロネクチンの分布の変化は,細胞外形の変化にほぼ一致しており,これらの細胞骨格,フィブロネクチンは細胞外形の維持に重要な役割をはたしていることを示唆している.
  • 宮地 良樹, 金内 日出男, 吉岡 晃, 今村 貞夫
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1275-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Acquired immunodeficiency syndrome(AIDS)のハイリスクグループと考えられる同性愛男子23名について,血液および血清学的に検討した.その結果,human T-lymphotropic virus type Ⅲ(HTLV-Ⅲ)/ lymphadenopathy-associated virus(LAV)抗体陽性者は2名で,うち1名は,その他の症状からAIDS-related complex(ARC)と考えられた.また,他の性行為感染症(STD)を合併することが多いこと,さらにOKT4+/OKT8+比の逆転が5例でみられたことなどが注目された.今回の調査は小規模ながら,わが国同性愛男子の情況を反映したものと思われる.
  • 五十嵐 敦之, 重本 尚, 名城 浄子, 玉置 邦彦
    1986 年 96 巻 12 号 p. 1279-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    モルモット皮膚で,EBA抗原の創傷治癒過程における発現をBP抗原,fibronectinと比較検討した.BP抗原,fibronectinは早期より遊走表皮基底膜部に認められたが,EBA抗原は遊走表皮ではほとんど認められず,上皮化完了後の表皮基底膜部に発現した.このことは,EBA抗原の機能を考える上で重要な所見と思われた.
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