日本皮膚科学会雑誌
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anti-C3 ELISAを用いたIgA免疫複合体の測定
田中 盛久
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1986 年 96 巻 8 号 p. 839-

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抄録

anti-C3 ELISAを用いたIgAを含む免疫複合体(IgA-CICs)測定の報告は皮膚疾患ではみられない.そこで膠原病,中毒疹・薬疹についてanti-C3 ELISAでIgA-CICs,IgG-CICsの測定を行った.IgA-CICsで陽性を示した膠原病5例中4例は,同時に行ったIgG-CICsでは陰性を示した.IgA-CICs値とIgG-CICs値の間には相関は認められなかった.従ってIgG-CICsのみならず,IgA-CICs測定の必要性が示唆された.anti-C3 ELISAはIgA-CICs及びIgG-CICsを短時間に多数の検体につき,かつまた少量の血清にて高感度に検出することが可能である.本法の応用により皮膚疾患に対する新たな,多くの情報を得ることができるものと考える.

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© 1986 日本皮膚科学会
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