日本皮膚科学会雑誌
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96 巻 , 8 号
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  • 谷口 芳記, 清水 正之
    1986 年 96 巻 8 号 p. 785-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    17歳女子の右上腕外側に生じた水疱様外観を呈する石灰化上皮腫の1例を経験した.1ヵ月前より急速に大きくなり,初診時には1.5cm×2.5cmの隆起した水疱を思わせる皮疹となった.組織学的には石灰化上皮腫を被覆する皮膚の真皮に強い浮腫とリンパ管拡張がみられた.光顕標本と同一のブロックを脱パラし,走査型電顕にて観察した.透過型電顕により腫瘍塊の間質と実質の境界部のshadow cellの一部に,均質化したtonofilament束と共に,明調帯と暗調帯よりなる棍棒状の横紋構造をみとめた.規則正しく配列しており,その周期は38.7nm±1.2nm,暗調帯の幅は10.5nm±5.9nmであった.
  • 亀田 洋, 滝上 正
    1986 年 96 巻 8 号 p. 791-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    横浜市在住の46歳,男子のつつが虫病の1例を報告するとともに,わが国のつつが虫病について若干の文献的考察を行った.昭和59年11月4日,千葉県東葛飾郡沼南町海上自衛隊下総基地東端の雑木林にて山芋掘りをした後,8日目右上腕に丘疹,11日目より発熱(~39.4℃),14日目より発疹をみた.BAPCおよびFOMによる治療は無効で,右上腕部の硬血痂皮局面(刺し口)および右腋窩の有痛性リンパ節腫大を確認し,つつが虫病と診断し,TCを投与したところ,症状の劇的な改善をみた.患者血清よりRickettsia tsutsugamushiが分離され,これはBALB/cマウスより得たモノクロナル抗体を使用した蛍光抗体間接法によりKarp型と同定された.また,患者血清IgM抗体の有意の上昇,異型リンパ球,中等度の血小板減少なども認められた.近年,フトゲツツガムシやタテツツガムシに媒介される,それぞれ秋~冬・春~初夏,秋~冬に発生するつつが虫病(いわゆる新型)が全国的に急増しており,神奈川県,千葉県でも再発生蛍光がみられる.同時に,DICの合併などによる早期治療が必要とされ,この際に,特徴的な刺し口をみつけることが重要とされる.
  • 花田 勝美, 橋本 功, 帷子 康雄, 山口 富雄, 相楽 衛男
    1986 年 96 巻 8 号 p. 805-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    39歳,男子,下腿を中心としてほぼ全身に散在する皮疹をみたプトスピラ症の1例を報告した.個疹は毛孔を避ける赤色丘疹で,中央には痂皮を付着,組織学的には汗腺と皮下脂肪織の炎症増を認めた.直接鏡検法で尿中にスピロヘータ陽性,Leptospira canicola, L.autumnalisの血中抗体価陽性,自験例は,1942年米国,ノースカロライナ州フォート・プラグにおいて流行を見た,いわゆるpretibial feverに酷似する,本邦におけるレプトスピラ症では自験例のような特異な皮疹,組織像の記載はみあたらず,今回が最初の報告と思われる.
  • 宇野 明彦, 堀 嘉昭, 斎田 俊明, 高田 邦昭
    1986 年 96 巻 8 号 p. 811-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    正常汗器管を構成する細胞における複合糖質糖鎖の性状,分布を検索し,それらの結果をもとに,23例の汗器管腫瘍の発生母地,分化の方向を糖鎖構造の面から検討した.また悪性化に際しての糖鎖の変化の有無についても検索した.方法は糖特異性の判明しているCon A,WGA,RCA-I,PNA,SBA,DBAの各レクチンを使用し,Avidin-Biotin-Peroxidase Complex(以下ABCと略記)法により光顕下で観察し以下の結果を得た.1)Con A,WGA,RCA-Iは正常汗器管を構成する全ての細胞に陽性反応を示した.特にRCA-Iはエックリン腺分泌部の表層細胞,アポクリン腺の分泌細胞に強陽性を示した.DBAはエックリン腺の表皮内汗管,分泌部の基底細胞に強陽性を示し,真皮内汗管では管腔側の細胞膜にのみ弱陽性を示した.SBAはエックリン腺分泌部の基底細胞にのみ強陽性を示した.PNAは全ての細胞で陰性であった.2)正常汗器管を構成する細胞とレクチン反応性の点で明らかに類似性が認められた腫瘍はsyringoma,eccrine hidrocystoma,apocrine cystadenomaであった.すなわちsyringomaはエックリン腺の表皮内汗管,eccrine hidrocystomaは真皮内汗管,apocrine cystadenomaはアポクリン腺の分泌細胞に糖鎖構造の面で一致していた.eccrine poroma,clear cell hidradenoma,eccrine spiradenomaの各腫瘍は糖鎖構造から腫瘍細胞の発生母地を推測することは出来なかった.3)悪性汗器管腫瘍では正常汗器管を構成する細胞及び,良性汗器管腫瘍で陰性反応を示したPNAが陽性反応を示した.このことより悪性化に伴ない糖鎖構造が変化する可能性があるものと考えられた.
  • 鈴木 秀明, 花輪 滋, 森嶋 隆文, 中島 孝
    1986 年 96 巻 8 号 p. 819-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    1985年2月~4月の3ヵ月間に,ミルメシア疣贅の8例を経験し,過去に経験した2例を含め計10例について臨床的,病理組織学的ならびに免疫組織化学的検討を行ない,えられた結果を以下に要約する.1.臨床所見:定型例では性差はなく,幼小児,成人ともに発症し,罹患部位は足底あるいは手指掌で,多くは片側性であった.半数が多発例であったが,皮疹は融合することなく,孤立性に存することを特徴とする.頂点が粗ル|で角質輪で覆れたドーム状の半透明ないし水疱様外観を呈する丘疹ないし小結節を定型疹とする.多くは発赤し,二次感染を伴なったかのような印象を与える.非定型例では外傷性刺青様あるいは皮角様外観を呈し,そのうち1例の罹患部位は膝蓋部であった.2.病理組織学的所見:全例,細胞質内および核内好酸性封入体の出現を特徴とし,病的細胞は有棘層下層に始まり,上層に向かうに従って数を増す.角層内には不全角化細胞と空胞化細胞とが多数認められた.3.抗乳頭腫ウイルス抗体による免疫組織化学的所見:細胞質内および核内好酸性封入体を有する病的細胞の核に一致して乳頭腫ウイルス抗原が証明された.乳頭腫ウイルス抗原を有する細胞は通常の疣贅と異なり,顆粒層のみならず,有棘層下層から上層にかけても多数認められた.細胞質内および核内好酸性封入体は同ウイルス抗原陰性であった.4.治療ならびに経過:病変部にスピール膏を貼布し,白色浸軟した病変部を機械的に除去するのが良いように思われた.初診時,単発例であった4例中2例は経過中に新らしい皮疹を認めた.
  • 石田 修, 石井 哲夫, 神保 孝一
    1986 年 96 巻 8 号 p. 829-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    人内耳メラノサイト(MC)の形態的,超微構造的特徴を観察した.光顕的に,大多数のMCは小血管と密接な位置的関係をもつ.一般にMCの突起の発達は悪く,双極性で,胞体内には多数の色素顆粒が充満していた.電顕的には小血管周囲に各種成熟段階メラノソーム(MS)をもつMCと貪食MSを有するメラノファージが認められた.特異な事は個々のMSが表皮MCのMSとは異なり,常に類円形で内部に細顆粒状物を有していた事である.MCの分布様式,MSの形態と内耳の機能との相関につき考察を試みた.
  • 森 憲彦, 島田 耕司, 佐藤 紀夫, 長尾 貞紀, 飯島 進, 神崎 保
    1986 年 96 巻 8 号 p. 835-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    尋常性白斑患者血清中に培養melanocyte,培養pigmented melanoma cellに対する抗体を証明する試みは既にいくつか報告されている.今回我々は,在来の報告者と異なる方法,即ち125I-labeled protein A of staphylococcus aureus(SpA)antibody binding assay法を用いて2種類のヒト由来培養pigmented melanoma cell(KHM-1/4,HMY-1)に対する尋常性白斑患者血清中の抗体の有無を検索した.その結果,尋常性白斑患者血清中には,正常人に比較しKHM-1/4に対する抗体が有意に多く存在することを窺わしめた.
  • 田中 盛久
    1986 年 96 巻 8 号 p. 839-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    anti-C3 ELISAを用いたIgAを含む免疫複合体(IgA-CICs)測定の報告は皮膚疾患ではみられない.そこで膠原病,中毒疹・薬疹についてanti-C3 ELISAでIgA-CICs,IgG-CICsの測定を行った.IgA-CICsで陽性を示した膠原病5例中4例は,同時に行ったIgG-CICsでは陰性を示した.IgA-CICs値とIgG-CICs値の間には相関は認められなかった.従ってIgG-CICsのみならず,IgA-CICs測定の必要性が示唆された.anti-C3 ELISAはIgA-CICs及びIgG-CICsを短時間に多数の検体につき,かつまた少量の血清にて高感度に検出することが可能である.本法の応用により皮膚疾患に対する新たな,多くの情報を得ることができるものと考える.
  • 1986 年 96 巻 8 号 p. 843-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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