日本皮膚科学会雑誌
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インターフェロン局注療法が有用と考えられた乳房外Paget病の2例
小林 裕美染田 幸子古川 雅祥茶之木 美也子濱田 稔夫
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1987 年 97 巻 1 号 p. 1-

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抄録

乳房外Paget病の女性2例に対し、ヒト培養リンパ芽球由来インターフェロン-α(HulFN-α)局注療法を行ない病理組織学的にも著しい効果が認められた.症例1:79歳,女子の両側大陰唇に1回100×104IUから300×104IUを隔日,計7,200×104IU,症例2:74歳,女子の両側大陰唇に1回300×104IUを週2回,計7,500×104IUを,いずれも病巣全体に行き渡るように局注したところ,局注前,表皮内に多数,胞巣形成性に見られたPaget細胞が局注後の同部位よりの生検組織にて消失していた.副作用としては,局所の発赤,疼痛がみられた以外には特に認められなかった.女性の外陰部Paget病で,高齢者の粘膜部にも及んだ場合は手術療法が行ないにくいので,インターフェロン局注療法は試みてよい方法と結論された.

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© 1987 日本皮膚科学会
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