日本皮膚科学会雑誌
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ヒト,アテロームより抽出されたヘマトキシリン染色陽性タンパクについて
高橋 昌江手塚 正
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1987 年 97 巻 11 号 p. 1201-

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抄録

1.ヒト表皮ケラトヒアリン顆粒のヘマトキシリン染色陽性タンパクの性状を検索する目的で,ヘマトキシリン染色性をマーカーにアテローム内容物のTris-HCl抽出物より陽性タンパクを分離した.2.同タンパクに対するモノクローナル抗体(Ted-H-1)を作成し蛍光抗体法によってin vivoでの局在を検討した.その結果このモノクローナル抗体と陽性に反応する部位はケラトヒアリン顆粒と角層細胞層の下部1/2の細胞膜であった.3.抗原タンパクの等電点はpH4.7でその分子量は62,000であった.またこのタンパクはヘマトキシリン染色陽性であることが確認された.4.したがってヒト,ケラトヒアリン顆粒構成タンパクには従来より報告されているprofilaggrin,足底角層より抽出されたタンパク以外に酸性のヘマトキシリンに染色されるタンパクも存在する.さらにこれが角化にともなって角層細胞膜へ移行する可能性が示唆された.

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© 1987 日本皮膚科学会
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