日本皮膚科学会雑誌
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97 巻 , 11 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 南光 弘子, 渥美 令子, 市原 健一, 喜多村 一幸, 長谷川 洋機, 高橋 健一, 大原 国章
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1181-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
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    外陰部Paget病(以下P病)の59歳男性に併発した頚部神経鞘腫の術中に突然心停止をみた.約半年前にP病の手術療法を行い,ソ径リンパ節1コに転移を認めている.血清CEA値は死亡直前の軽度上昇を除き一貫して正常範囲であった.剖検にて多臓器に血管内微小腫瘍塞栓を無数に観察した.特に心筋にも同様の所見が観察され,新旧の微小梗塞巣が散布し直接死因は汎発性心筋梗塞と診断した.過去剖検報告の中に同様の病変を確認した記載はなく,心筋の病変は突然死と関連して重要である.また皮膚原発巣および転移巣ともCEA陽性を示したが血清CEAが上昇しなかった理由は不明である.このことは血清CEAはP病の転移の有無の判定には有用でなく,逆に軽度上昇の段階で既に広範な転移を生じている可能性が示唆された.以上のことからP病患者,特に所属リンパ節転移をみた者に,他疾患が生じた場合,その疾患の存在ないし治療がストレスとなり思わぬ突然死を引越す誘因となる危険性があるので注意を喚起したい.
  • 鳥山 史, 野中 薫雄, 村山 史男, 入船 弘子, 大神 太郎, 垣本 滋, 吉田 彦太郎
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1189-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    53歳女子で,慢性腎不全のため透析を始めて1年半後にporphyria cutanea tarda(PCT)を発症した1例を報告した.尿中ポルフィリン体所見はuroporphyrin(UP)優勢の排泄像を示すも,総ポルフィリン量では軽度の増加に留まっていた.血漿ポルフィリン体,糞便中ポルフィリン体の著増,ことに糞便中coproporphyrin(CP)の著増,CP/protoporphyrin(PP)比の逆転がみられた.透析をhemodiafiltrationに変更すると,皮疹の改善をみた.本症例は現在まで報告された“透析中に発症したPCT症例”に比べて,糞便中ポルフィリン体排泄異常が著しいことが特異的であった.
  • 鈴木 秀明, 森嶋 隆文
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1193-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Bowenoid papulosisとBowen病,またウイルス性疣贅,病理組織学的にBowen病様病変や細胞質澄明な細胞の出現をみる上皮性腫瘍147例について乳頭腫ウイルス抗原の有無を免疫組織化学的に検索し,以下の結果をえた.1.Bowenoid papulosis3例中2例,Bowen病22例中1例,ウイルス性疣贅99例中37例に乳頭腫ウイルス抗原陽性所見が認められた.老人性角化症,Paget病や毛包系腫瘍23例では全例陰性の結果であった.2.Bowenoid papulosisでは顆粒層およびその直下の空胞化細胞,ときに不全角化細胞の核に一致して陽性所見がえられた.3.乳頭腫ウイルス抗原陽性であったBowen病は29歳,女性の手掌発症例であり,顆粒層の細胞核に一致して免疫組織化学的に陽性を示し,電顕的に直径35~40nmのヒト乳頭腫ウイルス様粒子を認めた.ウイルス性疣贅の好発部位である手や外陰部のBowen病では,その発症にヒト乳頭腫ウイルスの関与が推測された.
  • 高橋 昌江, 手塚 正
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1201-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    1.ヒト表皮ケラトヒアリン顆粒のヘマトキシリン染色陽性タンパクの性状を検索する目的で,ヘマトキシリン染色性をマーカーにアテローム内容物のTris-HCl抽出物より陽性タンパクを分離した.2.同タンパクに対するモノクローナル抗体(Ted-H-1)を作成し蛍光抗体法によってin vivoでの局在を検討した.その結果このモノクローナル抗体と陽性に反応する部位はケラトヒアリン顆粒と角層細胞層の下部1/2の細胞膜であった.3.抗原タンパクの等電点はpH4.7でその分子量は62,000であった.またこのタンパクはヘマトキシリン染色陽性であることが確認された.4.したがってヒト,ケラトヒアリン顆粒構成タンパクには従来より報告されているprofilaggrin,足底角層より抽出されたタンパク以外に酸性のヘマトキシリンに染色されるタンパクも存在する.さらにこれが角化にともなって角層細胞膜へ移行する可能性が示唆された.
  • 丸山 友裕
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1207-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    正常ヒト口腔粘膜上皮におけるトランスグルタミナーゼおよびSH基,SS結合の分布を組織化学的に検索した.方法として,前者にはmonodansylcadaverineによる染色,後者にはN-(7-dimethylamino-4-methyl-3-coumarinyl)maleimide(DACM)による染色を行なった.その結果,解剖学的部位により,トランスグルタミナーゼの分布およびSH→SSの変換のパターンに相違のあることが明らかとなった.ケラトヒアリン顆粒が,硬口蓋ではSH,SSを,舌糸状乳頭部ではSH,SSおよびトランスグルタミナーゼを有していた.これらの分布の多様性はそれぞれの粘膜の機能や,その周囲の環境と関連があるものと考えられる.トランスグルタミナーゼ染色およびSH基,SS結合の分布を知るDACM染色は,正常あるいは異常な粘膜の分化を知る上で有用な方法と思われる.
  • 杉浦 功人, 深谷 嘉英, 福島 英治, 足立 哲夫, 平野 和行
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1217-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    著者らは,ヒトCu,Zn-SODとMn-SODのエンザイムイムノアッセイを確立し,その有用性を明らかにするとともに,本法を用い正常者および疾患における挙動について検討し,すでに報告した.今回は,例数を増し,露光部と非露光部全層皮膚中の両SODとMDA含量を年代別に分けて検討を加えた.その結果,Cu,Zn-SOD,Total-SOD含量は,30~39歳でピークを示し,その後加歳にともない漸減した.Mn-SOD含量は,20~29歳で最低値を示し,その後漸増するが,50~59歳で低下した.MDA含量は,SOD含量が低下する50~59歳で上昇した.以上より,SOD含量が老化に関係している可能性が示唆された.
  • 真田 妙子
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1223-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Sporothrix schenckiiを従来本菌の培養に繁用されるSabourand液体培地,Brain-Heart-Infusion(BHI)液体培地又は,新しく今回調整した足蹠角質,albumin,不溶性collagenをそれぞれ窒素源として含むYeast carbone base液体培地で培養し,それぞれの培養濾液中のAzocollを基質として用いたproteinase活性を検討した.Sabourand液体培地やBHI液体培地での培養系からはいずれもproteinase活性は認められなかったが,albumin,又は足蹠角質を含む培地の系からは1週間後にproteinaseの産生を認めた.次いでこれらの中でalbuminを用いて培養した培養液よりこの酵素を分離精製する目的で培養濾液を,限外濾過,DEAE-Sepharose CL-6B,Sephacryl S-200gel filtrationで順次精製し,2種類のproteinasesを同定した.Proteinase(Ⅰ)は完全精製までは至らなかったが,一応分子量約36,500,至適pH6.0のserine系proteinaseであると同定された.一方,Proteinase(Ⅱ)は単離精製され,その分子量39,000,至適pH3.5を示すcarboxyl proteinaseと同定された.両酵素ともhemoglobin,albumin及び皮膚の構成タンパク質であるcollagenや足蹠角質をよく分解することから,産生されたこれら2つの酵素が協同して周囲の結合織を分解することより,菌の真皮内侵襲を可能にしていることが示唆された.
  • 内藤 勝一
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1231-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    天疱瘡の水疱(棘融解)形成には,ケラチノサイト由来のセリン系タンパク分解酵素であるplasminogen activator(PA)およびplasminがその最終段階において直接関与しているものと考えられている.そこで本実験では,aprotininのほか,セリン系タンパク分解酵素阻害剤と考えられているもののうち,既に他疾患において臨床応用されている薬剤(FOY,FOY-305,FUT-175)および正常人血漿中に本来存在するnatural(protease)inhibitorのうちα1-proteinase inhibitorとα2-macroglobulinを選定し,それらのPAおよびplasminに対する阻害効果をまず生化学的にin vitroで検討した.次いで,天疱瘡の疾患モデルを正常ヒト皮膚器官培養系および新生児マウス実験系を用いて作成し,これらが実際に水疱形成阻止因子となり得るか否かを比較検討した.その結果,上記臨床薬剤およびα1-proteinase inhibitorは,程度の差はあるものの,1)生理学的にPAおよびplasmin活性の両方を,あるいはplasmin活性をより特異的に阻害し,2)また実験モデル系においても棘融解形成阻止が可能であった.以上の結果は,天疱瘡の水疱形成阻止上,タンパク分解酵素阻害剤の臨床的有効性を示唆するものであり,本疾患治療上,一つの大きな展望を拓くものと考えられる.
  • 伊藤 雅章, 奥田 長三郎, 佐藤 良夫
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1239-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    動物における成長期毛包の外毛根鞘最内層細胞層の分化および角化過程を知る為に,マウス,ラットおよびモルモットの背部毛と洞毛を生検し,電顕的に観察した.毛球部では,いずれの動物でも,外毛根鞘は扁平な二層の細胞層からなり,その内層細胞がヘンレ層に添って上行し,外毛根鞘最内層細胞層を形成する.毛球部上方で,この細胞のヘンレ側の細胞質中に,毛軸に対し横走する張原線維が出現する.この細胞は,僅かなケラトヒアリン顆粒を産出し,毛狭部で他の外毛根鞘細胞に先んじて角化する.層板顆粒は産生されない.この角化は,マウスでは角化した内毛根鞘の変性後に,他の種ではそれより早期に起こる.角化した外毛根鞘最内層細胞は扁平で,とくにラットとモルモットでは,その細胞辺縁の変形が著明で,ヘンレ側に突起様構造を形成し,あるいは,ヘンレ層細胞との間に拡張した細胞間隙をみる.ケラチンパターン,周辺帯は不完全ながら形成される.ヒトと同様に動物の成長期毛包においても特異な分化をする外毛根鞘最内層細胞層が存在するが,種間で多少の,しかし,明らかな形態学的差異がある.
  • 今泉 孝, 野村 和夫, 橋本 功, 帷子 康雄
    1987 年 97 巻 11 号 p. 1247-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    先天性表皮水疱症患者の線維芽細胞を用いてcollagen latticeを作成しその収縮を調べた.コラーゲンとしてアテロコラーゲンと酸可溶性コラーゲンの二種を使って比較したところ,健常人の場合はアテロコラーゲンのほうの収縮が強い傾向がみられたのにたいして,先天性表皮水疱症では酸可溶性コラーゲンのほうの収縮が強い傾向が認められ,特に劣性栄養障害型において著明であった.これはコラーゲンのテロペプチド部分の有無が収縮に関与しているためと考えられた.またlattice収縮後の培養液中のprostaglandin濃度は両コラーゲンで大差の認められないことから,両コラーゲンで生じるlattice収縮の差はテロペプチド部分の関与が主体であり,prostaglandinの影響は少ないと思われた.
  • 1987 年 97 巻 11 号 p. 1253-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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