抄録
皮膚のヘマトキシリン・エオジン(HE)染色標本を蛍光顕微鏡で観察することにより,躯幹,四肢の正常角層は3層から構成されていることが明らかとなった.この3層構造はトルイジンブルー・ベーシックフクシン染色や電顕によって観察される3層構造とは,最上層が薄い点でやや異なっていた.一方,尋常性乾癬病巣の角層では3層構造は認められず,1層の輝黄色蛍光が観察された.この結果,HE染色標本を蛍光顕微鏡で観察することは,病的な角化機転によって形成された異常な角層をきわめて容易に認識しうることが明らかとなった.さらに,dyskeratosis,parakeratosis以外の角層の変化もこの方法により,光顕的に観察し得る可能性があると考えられた.