抄録
モルモットに実験的Ⅲ度熱傷を作成し,免疫組織化学的にデスミン陽性細胞の動態を観察した.デスミン陽性細胞は管腔を形成する細胞としない細胞に大別された.管腔を形成する細胞は創傷治癒が進むにつれてpericyte,血管平滑筋細胞としての形態的特徴を示すようになり,また管腔は次第に蛇行を減じていった.このことはデスミンが細胞骨格として管腔壁細胞の形態の変化に関与するとともに,管腔自体の収縮の方向を調節することにより新生血管全体の再構成に関与することを示唆するものと考えた.一方,管腔を形成しない細胞には,管腔形成に関与しつつある細胞とそうでないものがあり,いずれの場合にもmyofibrorblast様細胞とpericyte様細胞,およびその中間形あるいは移行形と思われる細胞がみられた.いずれの細胞が内皮細胞に接着するかは不明であるが,これらの細胞のうち血管内皮細胞と接着したものは血管周囲細胞となり,そうでないものはmyofibrorblastとして創の収縮に関与した後に消失していくものと考えた.このことは血管周囲細胞とmyofibrorblastが共通のprecursor cellに由来することを示唆するものと思われた.