抄録
B10A(4R)由来のfibrosarcoma(Schumidt-Ruppin strain,Rous sarcoma virus induced Sa 1229)をTNP化し,レ線照射後マウスTail endに皮下注.7日後,同様にTNP化したSa 1229を背部皮下に接種して,腫瘍の発育を見た.EK分子の発現を有するB10A(2R)マウスにおいては,EK分子を欠くB10A(4R)マウスとは異なり,TNP化Sa 1229の発育に対して,明らかな抗腫瘍効果は認められなかった.しかしながら,B10A(2R)マウスを,抗EKαモノクローナル抗体でin vivo処理することによって,B10A(2R)マウスもTNP化Sa 1229の発育に対して,B10A(4R)マウスと同様の抗腫瘍効果を発揮した.これは,ウレタン誘発肺腫瘍発生に対するMHC classⅡ支配の成績と基本的には同様の所見であり,腫瘍免疫のMHC支配におけるMHC classⅡE分子の果す役割について若干の考察を加えた.