1987 年 97 巻 13 号 p. 1575-
症例:60歳主婦,初発症状は全身倦怠感と両下腿の多発性皮内硬結.内科にて,膠原病を疑われて,ステロイド剤を投与されたが反応しなかった.硬結部の病理組織学的検査では,真皮上層から皮下脂肪織にかけての小血管内に,リンパ球様異型細胞が多数認められ,neoplastic angioendotheliosisと診断された.同部の免疫組織学的検索では,前述の異型細胞は第Ⅷ因子陰性,LCA強陽性,pan B抗原であるB-1,LN-1,LN-2は全て陽性,pan T抗原であるT-11,Leu 4は陰性であった.以上の結果より本症例における腫瘍細胞は悪性リンパ腫細胞であり,LSG分類ではビマン性大細胞型にあたるB-細胞リンパ腫と診断された.患者は発症より6ヵ月後死亡した.