抄録
Myrmecia4例のホルマリン固定パラフィン包埋切片について抗papillomavirus抗体(DAKO社、B580)を使用し,酵素抗体法(peroxidase antiperoxidase method,PAP法)にてヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus,HPV)の局在を調べた.さらに数種のビオチン標識HPV-DNAをprobeとしたin situ hybridization法によりHPV-DNAの型別と組織内分布を調べた.その結果,ウイルス粒子はmyrmeciaの特徴である,細胞質および核内に好酸性顆粒を持つ細胞の核内に認められ,これらの細胞は有棘層下層から角層にわたって存在した.しかし,これらの顆粒を持つすべての細胞に検出されるわけではなく,一部の細胞ではウイルス粒子は認められなかった.一方,in situ hybridization法により,全例のHPV-1 DNAが検出され,しかも好酸性顆粒を持つすべての細胞の核内にそのDNAが検出された.しかし,基底細胞および好酸性顆粒を有しない細胞では検出されなかった.この所見から,好酸性顆粒はウイルスDNAの複製とほぼ同時期に作られることが示唆された.