日本皮膚科学会雑誌
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97 巻 , 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 本田 まりこ, 小澤 雅邦, 新村 眞人
    1987 年 97 巻 2 号 p. 105-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
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    Myrmecia4例のホルマリン固定パラフィン包埋切片について抗papillomavirus抗体(DAKO社、B580)を使用し,酵素抗体法(peroxidase antiperoxidase method,PAP法)にてヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus,HPV)の局在を調べた.さらに数種のビオチン標識HPV-DNAをprobeとしたin situ hybridization法によりHPV-DNAの型別と組織内分布を調べた.その結果,ウイルス粒子はmyrmeciaの特徴である,細胞質および核内に好酸性顆粒を持つ細胞の核内に認められ,これらの細胞は有棘層下層から角層にわたって存在した.しかし,これらの顆粒を持つすべての細胞に検出されるわけではなく,一部の細胞ではウイルス粒子は認められなかった.一方,in situ hybridization法により,全例のHPV-1 DNAが検出され,しかも好酸性顆粒を持つすべての細胞の核内にそのDNAが検出された.しかし,基底細胞および好酸性顆粒を有しない細胞では検出されなかった.この所見から,好酸性顆粒はウイルスDNAの複製とほぼ同時期に作られることが示唆された.
  • 東 一紀, 亀山 孝一郎, 衛藤 光, 神崎 保
    1987 年 97 巻 2 号 p. 109-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    65歳男性の右手掌小指球に生じたエクリン汗腺癌の1例を報告した.臨床的には,表面易出血性で淡紅色弾性軟,ドーム状に隆起する腫瘤であった.組織学的には,真皮内に異型性の強い腫瘍細胞が増殖し,免疫組織化学的検索にて,抗デスモゾーム抗体,抗ケラチン抗体,抗エクリン汗腺抗体陽性所見を得た.抗CEA抗体,抗S100蛋白抗体,抗メラノーマ抗体,抗リンパ球抗体は陰性であった.酵素組織化学的には,コハク酸脱水素酵素陽性.電顕的には,多数のデスモゾームと比較的少ないトノフィラメント,細胞間に微絨毛を伴う管腔形成を認めた.以上の検索より,本例をエクリン汗管の深部または分泌部に由来する腫瘍と診断した.
  • 松田 三千雄, 古口 健一, 高見 佳宏, 阿久津 裕, 神保 孝一
    1987 年 97 巻 2 号 p. 117-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    顔面に発生した巨大なmalignant eccrine spiradenomaの1例を報告する.実験例は,(1)肉眼的に顔面が充実性の部分と壊死性の部分より成り,周囲を被膜に被われていた.(2)光顕的には,大小種々の腫瘍胞巣から成っており,多くは索状,小葉状を呈し,種々の分化を示し,一部腺腔様構造を伴った.間質は浮腫性,好酸性で,出血,炎症性細胞が混在していた.腫瘍細胞は濃い小型の核を有する細胞と淡い大型の核を有する細胞の2群に識別され,一部では明らかに悪性変化を示した.(3)組織化学的にsuccinic dehydrogenase,acid phosphatase活性が陽性であった.(4)電顕下で,腫瘍細胞はdesmosomeを有する上皮性細胞の性格を有し,clear cellとdark cellに識別され,その一部は筋上皮細胞様であった.数十年にわたり徐々に増大し,一部悪性変化を示した極めてまれな症例といえよう.
  • 田中 敬子
    1987 年 97 巻 2 号 p. 125-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    コルチコステロイドの全身投与を行うと血中ヒスタミン値が低下することが知られているが,ステロイド外用剤投与時の血中ヒスタミン値に関する報告は見られない.ステロイド投与時に血清11-OHCSと血中ヒスタミンを同時に測定することにより,全身投与群(betamethasone内服)と外用治療群(ステロイド外用剤20~60g/day)を比較検討した.全身投与群のbetamethasone0.5~1.0mg/dayでは,血清11-OHCSと血中ヒスタミン値が並行して用量依存的に低下した.全身投与群の0.25mg/dayと外用剤治療群では血清11-OHCS値は低下したが,血中ヒスタミン値は増加した.外用治療群の血中ヒスタミン値の変化はbetamethasone内服投与群の0.25~0.50mg/dayの間に位置した.広汎な皮膚病変を有する皮膚科入院患者15症例のそれぞれについて外用治療群の内服相当量を検討すると血中ヒスタミン値では13症例が,0.10~0.50mg/dayの範囲に入り,血清11-OHCS値では10例が0.25~0.50mg/dayの範囲内であった.すなわち,13例が1.0mg/day以下であった.ラットにprednisoloneを20,50mg/kg/day投与すると血中ヒスタミン値が有意に低下した.末梢血では総白血球数,およびリンパ球,好酸球,好塩基球数も有意に低下した.ラットにhistamine.2HCLを投与すると,総白血球数,および,リンパ球,好中球,好酸球数が増加した.血中ヒスタミン値はステロイド全身投与群,生理食塩水投与群ともに投与前に比し有意に低下した.また,生理食塩水投与群に比しステロイド投与群の血中ヒスタミン値が有意に低下した.ステロイド内服投与群と動物実験において見られたステロイド全身投与時の血中ヒスタミン値の低下はステロイド投与後の好塩基球の減少とステロイドによるヒスタミンの代謝・排泄の促進が関与すると思われた.
  • 藤田 和夫, 清水 和宏, 堀 真, 吉田 彦太郎, 中浦 優
    1987 年 97 巻 2 号 p. 137-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    54歳男子額部の脂腺母斑上に発生した毛包系腫瘍について報告した.自験例は光顕的,電顕的検索により,毛母細胞様細胞の増殖と毛乳頭様構造の形成が認められたが,毛への分化は示さなかった.hair matrix由来またはそれへの分化をしめす毛包系腫瘍と考えた.検索した限りでは現在までに同様な報告例はなかったため,hair matrix epitheliomaと仮称した.
  • 武田 孝爾
    1987 年 97 巻 2 号 p. 143-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    強皮症様の皮膚変化を呈することの知られているWerner症候群患者2例から得た真皮線維芽細胞におけるコラーゲン合成能およびグリコサミノグリカン(GAG)合成能,さらに線維芽細胞の成長因子であるプロスタグランディンF2α(PGF2α)およびインスリンのDNA合成へおよぼす影響について検討した.患者細胞は性,年齢をほぼ一致させた正常人由来の細胞よりも有意に細胞1×104あたりのコラーゲン,GAG合成能の亢進を示した.また患者細胞のDNA合成能はPGF2αおよびインスリンに対してほとんど反応を示さなかった.このような線維芽細胞の特徴はLeRoyのいう強皮症由来線維芽細胞の特徴と類似しており,両疾患の結合組織代謝の共通性が示唆される.
  • 野中 薫雄, 大神 太郎, 長戸 紀, 渡辺 雅久, 吉田 彦太郎, 村山 史男, 入船 弘子, 山下 和徳
    1987 年 97 巻 2 号 p. 151-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Porphyria cutanea tarda患者26名99検体の糞便中ポルフィリン体を溶媒抽出法にて測定し,尿中ポルフィリン体,血中ポルフィリン体値と共に,対照群と比較検討をおこなった.糞便中uroporphyrin(UP),coproporphyrin(CP),protoporphyrin(PP)値はともに対照群に比べて増加していたが,UP,CPの値がPPに比べて著しく増加していた.糞便中UP/PP,CP/PP比は対照群が0.012,0.602とPP優勢像を示しているのに比べて,PCT群では0.194,2.649とUP,CPが対照群に比べて多量に排泄され,ことにCPはPPより優勢に排泄されていた.以上の結果から,糞便中ポルフィリン体排泄像も基本的には尿中排泄像と同様の変化と思われるが,CP排泄の増加はuroporphyrinogen decarboxylase活性低下のみでは説明出来ず,他の酵素系の異常の合併も推定せざるを得ない.糞便中ポルフィリン体の測定およびUP/PP比,CP/PP比の観察はPCTの生化学的診断の助けとなると思われ,ことにCP/PP比の逆転像は,PCT患者に比較的特異な所見であると考えられる.
  • 三上 英樹, 三上 幸子, 野村 和夫, 花田 勝美, 橋本 功, 帷子 康雄
    1987 年 97 巻 2 号 p. 157-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    18例の有棘細胞癌に対し免疫peroxydase法を用いてinvolucrinの局在を検索した.involucrinは,角化傾向を示す細胞では種々の程度に強陽性を示し,全体としてパッチワーク状を呈した.異常角化細胞は孤立性に強陽性.異型性を示す細胞および紡錘形細胞は弱陽性もしくは陰性を呈した.involucrin染色の陽性率は,各悪性度において有意に異なっていた.このことから,involucrinの染色性は腫瘍細胞の異型性の程度を知る参考材料のひとつとして有用であると考えられた.
  • 佐久間 満里子, 高橋 秀東, 星野 稔, 上野 賢一
    1987 年 97 巻 2 号 p. 161-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Clear cell hidradenomaの1例を経験し,モノクローナルS-100蛋白のα,β鎖,CEA,ケラチンについて,PAP法により免疫組織学的に検討した.腫瘍部のclear cell,epidermoid cellはS-100蛋白α,β鎖とも陰性であった.CEAでは管腔様構造部,およびその周囲細胞,嚢腫壁内腔側,嚢腫壁細胞に陽性所見を認めた.ケラチンではepidermoid cellの一部,嚢腫壁細胞に陽性所見を認めた.正常の汗器官ではエックリン腺分泌部clear cellがS-100蛋白α鎖のみ陽性,導管部はα,β鎖とも陰性,myoepithelial cellはエックリン汗腺導管部細胞への分化が示唆された.またモノクローナルS-100蛋白抗体は汗器官腫瘍内での腫瘍細胞の起源,分化方向の検索にポリクローナルS-100蛋白抗体よりも有用であると考えられた.
  • 1987 年 97 巻 2 号 p. 165-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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